メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2024年8月23日16時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
豪ドル/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
直近1週間のポイント
先週の豪ドル/円は98円挟みでもみ合う展開
ドル/円の下落や日本株の軟化を受けて19日には96.99円前後まで豪ドル安・円高に振れました。しかし、円高の一因となったカナダ資本によるセブン&アイ・ホールディングスの買収案件に疑義が生じたことや、欧米株の上昇を背景に反発。20日には豪中銀(RBA)が8月の議事録で市場の利下げ観測をけん制すると99.03円前後まで上昇しました。ただ、21日に米労働省が3月までの1年間の就業者数を大幅に下方修正したことなどもあってドルが全般的に軟調となり、ドルに対して豪ドルと円がいずれも強含んだため、その後の豪ドル/円は決め手を欠く値動きとなりました。97円台と98円台を往来する展開が続き、23日の15時時点では97.90円台で推移しています。
今週の豪ドル/円の注目ポイントは7月CPI
今週は28日に豪7月消費者物価指数(CPI)が発表されます。RBAは「インフレの上振れリスク」を警戒しており、20日に公表した8月理事会の議事録でも「市場価格が現在示唆するよりも長い期間、金利を現行水準で安定的に維持することが必要となる可能性がある」との見解を示しました。しかし、欧米の主要中銀や同じオセアニア地域のNZ中銀が利下げで先行する中、豪金利先物は今年12月の利下げ開始を織り込んだままです。そうした中で発表される7月CPIに注目が集まっており、市場はその結果からRBAの利下げへの距離感をあらためて測ることになるでしょう。なお、市場予想によれば前年比+3.5%と6月の+3.8%から伸びが鈍化する見通しです。コアインフレ率に相当するCPIトリム平均値が6月の前年比+4.1%からどこまで鈍化するかにも注目が集まりそうです。
来週の豪ドル/円の見通し
予想レンジ
96.000-100.000円
基調
方向感模索
来週の注目ポイント
☆8/28 豪7月CPI
主要国株価、国際商品価格
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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