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来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「RBNZは利下げ?豪ドルは労働市場関連指標が弱ければ近々利下げも…」ハロンズ FX 2024/8/10

 

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執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
X(Twitter):@gaitamesk_naka
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今週の振り返り

今週のオーストラリア(豪)ドル/円は95.39円前後、ニュージーランド(NZ)ドル/円は87.22円前後で週初を迎えました。5日は前週末の米7月雇用統計の結果を受けて米景気後退懸念が強まったことなどにより、日経平均株価が前日比4451円安で過去最大の下げ幅を記録。豪ドル/円は一時90.08円前後、NZドル/円も同様に83.04円前後まで急落しました。その後、日米株価指数が持ち直したことや、内田日銀副総裁が追加利上げについて慎重な姿勢を示したことなどにより、豪ドル/円は一時97円台、NZドル/円は89円手前まで買い戻されるなど、値動きの荒い展開となりました(執筆時)。

豪労働市場は市場の期待を支えるか?

今週は6日に豪準備銀行(RBA)が理事会を開催し、政策金利を4.35%に据え置きました。その後の会見で、ブロックRBA総裁は市場が年内利下げ開始を織り込み始めたことについて「先走り過ぎている」とけん制しました。この市場の先走りは7月31日に発表された豪4-6月期消費者物価指数(CPI)が懸念されていたほど悪化しておらずRBAの想定の範囲内であったことが要因です。
来週は13日に豪4-6月期賃金指数(WPI)、15日には豪7月雇用統計が発表されます。まず賃金とインフレの関係で見ると、「賃金上昇率がインフレ率よりも高い場合は、市民の懐に余裕があるためお金を使いやすくなる。」と一般的には考えられます。つまりWPIがCPIよりも高ければ、インフレ鈍化の妨げになるということです。ただし、豪州の場合は2021年1-3月期から2023年10-12月期までの約2年間はCPIがWPIを大幅に上回っていたことで、市民の懐は相当圧縮されていたのでしょう。2024年1-3月期にWPIとCPIは逆転しました(表1参照)が、依然として小売売上高などの伸びは緩やかなものとなっています。そのため、4-6月期WPIが鈍化を示して4-6月期CPIとの乖離幅が縮まれば、市場はRBAに対する年内利下げ観測をさらに高めることになりそうです。

【表1.豪州の四半期WPIと四半期CPIの推移】


15日に発表される豪7月雇用統計ではWPIと同様の理由から新規雇用者数変化、特に正規雇用者数の増減に注目しようと思います。雇用者数(特に正規雇用者数)の増加は、労働市場の力強さを示すものとなります。豪州の雇用者数は過去3カ月の平均で約4.2万人増加、正規労働者は約2.56万人増加しており、ともに過去2年間の単月平均(雇用者数変化:約3.46万人、正規雇用者:約2.16万人)を上回っています。過去2カ月同様に力強い結果となればRBAの利下げ観測は後退することになりそうです。ただし、現在の市場はRBAが年内に利下げを開始するという期待を高めています。そのため、年内利下げ観測をさらに織り込める結果(悪い豪雇用統計の結果)の方が強く反応しそうです。

RBNZは市場予想通り利下げするのか?

14日にはニュージーランド準備銀行(RBNZ)が金融政策会合を開催します。
前回(7月10日)の会合で、RBNZは「総合インフレ率は今年後半に目標レンジ(1~3%)に回帰すると見込まれる」などと示しました。前々回(5月22日)会合では追加利上げについて議論されましたが、前回会合では触れられていません。市場はこれをRBNZがハト派化したと受け止めました。その後発表されたNZ4-6月期CPIは前年比+3.3%と予想や前回(+3.4%、+4.0%)を下回る結果となっています。一方で、4-6月期のNZ雇用統計では労働参加率が上昇したにもかかわらず、失業率が低下。また賃金上昇率も前期から上昇幅が拡大しています。直近のインフレ率は低下を示しましたが、労働市場の力強さはインフレ加速に繋がりかねません。これらの結果を受けて、短期金利市場ではRBNZが今回の会合で利下げを実施する可能性を7割超織り込んでいます。しかし筆者は、強すぎる労働市場に警戒を示してRBNZが金利を据え置く可能性もあると考えています。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は週初の大幅下落から大反発を見せて週足では下ヒゲ陽線となりそうです。その場合は、「今回のパニック的な円買い局面は一旦終了した」と考えてもよさそうです。目先の上値目途は日足一目均衡表の基準線や200日移動平均線(青点線)です。200日移動平均線をした抜けた際、早期に再び上抜けられないとレジスタンスとしての意識が徐々に強まっていきますので要注意です。また、99円台後半は今回の下げ相場(7/11~8/5)の半値戻し(99.74円前後)でもありますので意識されそうです。下値目途は、まだ弱めですが、日足一目均衡表転換線が今後サポートとして機能するか注目です。その下の水準では8月6日安値93.405円が目先の目途として見られそうです。

【豪ドル/円 日足・一目均衡表、200日移動平均線】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:94.00-100.00、NZD/JPY:85.50-91.00

8/12週のイベント:

08/13 (火) 09:30 豪 8月ウエストパック消費者信頼感指数
08/13 (火) 10:30 豪 4-6月期四半期賃金指数
08/13 (火) 10:30 豪 7月NAB企業景況感指数
08/14 (水) 11:00 NZ ニュージーランド準備銀行(RBNZ)政策金利
08/15 (木) 10:30 豪 7月新規雇用者数
08/15 (木) 10:30 豪 7月失業率
08/15 (木) 11:00 中国 7月小売売上高
08/15 (木) 11:00 中国 7月鉱工業生産

一言コメント:

みなさん、副鼻腔炎には気を付けましょう。大変な目に逢いました…

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nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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