このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆：株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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わずか1カ月で22％のペソ安・円高が進行
メキシコペソ/円が軟調に推移しており、5日には昨年3月以来の安値となる7.071円前後まで下落する場面もあった。7月10日に付けた戻り高値の9.091円から1カ月弱で約22％下落したことになる。この間に約12.5％下落したドル/円や、約12％下落したユーロ/円に比べると、メキシコペソ/円の下落が突出して大きいことがわかる。
米景気後退はペソの逆風 8日利下げ観測も重し
先週2日の米7月雇用統計で失業率が米連邦準備制度理事会（FRB）の見立て以上に上昇したことで同国の景気後退懸念が浮上。これを受けて世界的に株価が下落したことが、新興国通貨であるメキシコペソの逆風となっている。また、メキシコの輸出の8割を占める米国で景気後退が現実となれば、メキシコ経済やメキシコペソにとって強い逆風になるとの見方が多い。加えて、今週8日にメキシコ中銀が利下げに踏み切るとの観測もくすぶっている。市場の見方は利下げと据え置きで拮抗。景気下支えのためには利下げが望ましいが、利下げすれば一段のメキシコペソ安を誘発し、インフレ上昇につながりかねない。中銀にとって8日の政策決定は難しい判断を迫られることになるだろう。
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お知らせ：FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員神田 卓也（かんだ・たくや）
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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