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【見通し】週間為替展望(ドル/ユーロ)-日米金融政策の方向性の違い鮮明に

◆円、日銀総裁のタカ派転換で追加利上げ観測高まる
◆ドル、FRB議長が9月利下げに言及
◆ユーロ、米金利低下支えもリスクオフに注意

予想レンジ
ドル円   145.00-151.50円
ユーロドル 1.0650-1.1000ドル

8月5日週の展望
 ドル円は、日米金融政策の方向性の違いから上値の重い展開が想定される。日銀は7月30-31日の金融政策決定会合で政策金利を0.25%に引き上げることを決定。2025年度末までの長期国債買い入れの減額計画も発表した。事前に複数のメディアから報じられていたため、この決定自体は想定の範囲内だったが、サプライズだったのは植田日銀総裁の会見での発言だ。総裁は今後の金利見通しについて「経済・物価見通しが実現していけば、引き続き政策金利を引き上げる」と追加利上げの可能性に言及。また、バブル崩壊以降、過去30年に渡って政策金利が0.5%を超えていないことから同水準は「金利の壁」と言われていることに関して、「特に意識していない」と言い切り、「政策金利はまだしばらくは中立金利(1.0%)より低い水準」とも発言した。

 日銀総裁が想定よりもタカ派寄りの姿勢を示したため、為替市場では円高が急速に進むなど、早期利上げ期待が急速に高まっている。日銀総裁の豹変は「円安に悩む政府からの圧力が背景」との指摘もあり、本心は定かではないが、市場に与えたショックは非常に大きく、簡単には覆すことはできないだろう。

 また、米連邦公開市場委員会(FOMC)では予想通り政策金利が据え置かれたが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「9月FOMCで利下げが選択肢になる可能性ある」と利下げ時期に言及した。「経済の展開の仕方次第」としたが、1日に発表された7月米ISM製造業景況指数が8カ月ぶりの低水準を記録したことで、一段の利下げ観測が高まっている。9月会合までには期間があり、「現時点で判断するのは時期尚早」との声も出ているが、来週予定されている米重要指標は週明け5日の7月ISM非製造業指数のみの為、市場の思惑を覆すには材料に乏しく、米利下げ期待を背景としたドル売りが継続しそうだ。

 ユーロドルは米利下げ観測から下値は堅そうだ。ただ、米景気先行きに関する不透明感や日銀の突然すぎる政策転換で日米株価指数が総崩れとなっており、金融市場ではリスクオフムードが高まっている。来週もこの流れが継続するようなら、ユーロの上値は限られそうだ。

7月29日週の回顧
 ドル円は週前半には一時155.22円まで上昇したが、日銀の利上げ検討報道が複数のメディアから伝わると一転して売りが優勢となった。利上げ決定後の定例記者会見で植田日銀総裁が追加利上げの可能性に言及すると売りが加速。FRB議長が9月利下げに言及したことから、さらに下値を模索する動きとなると一時148.51円と3月15日以来の安値まで売り込まれた。

 ユーロドルは上値が重かった。米利下げ観測の高まりによる米金利低下が支えとなる場面も見られたが、日米を中心に株価が大きく下落すると売りが優勢となり1.0778ドルまで下押しした。(了)


・提供 DZHフィナンシャルリサーチ