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東証プライムの売買代金は概算で3兆9600億円。業種別では全業種がプラスで、保険、化学、非鉄金属が大幅上昇。パルプ・紙、海運、食料品などは相対的に見劣りする上昇となったが、33業種中、32業種が1%を超える上昇と全体の底上げが進んだ。1Qが大幅な増益となったMARUWAが急騰。反面、SCREENホールディングスは上方修正や増配を発表して買いが先行したものの、早々にマイナス圏に沈むと下げ幅を拡大。7%を超える下落となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1571/値下がり63と値上がり銘柄が圧倒的に多かった。信越化学が8.6%高、東京製鉄がストップ高と、業績関連で好材料のあった銘柄に資金が殺到した。円高に一服感が出てきたことから自動車株の動きが良く、日経新聞でホンダ・日産自動車連合に合流するとの観測が報じられた三菱自動車が5%を超える上昇。証券会社のリポートを手がかりに、東京海上や第一生命など保険株が大幅に上昇した。
一方、アルツハイマー治療薬「レカネマブ」に関するネガティブなリリースを材料にエーザイが13.0%安。1Q減益着地の日立建機が急落した。エムスリーは1Qの減益を受けても3%超上昇して始まったが、寄った後の動きはさえず、4%を超える下落で終了。キーエンスは1Qの2桁営業増益が好感されず下落と、グロース系の銘柄には決算に対する反応が弱めのものが散見された。
本日、グロース市場に新規上場したLiberawareは、公開価格を大きく上回る初値をつけたものの、終値は初値を大きく下回った。
日経平均は大幅上昇。高く始まった後に上げ幅を広げており、値上がり銘柄も多かった。4桁高で終われなかった点には物足りなさもあるが、ひとまず強い反発が見られたことは安心材料。あすから日銀金融政策決定会合とFOMCが開催され、結果はともに31日に発表される。そのため、あすは様子見ムードが漂うと予想される。きょうの大幅高がなければ、「待ち」の状況下ではリスク回避姿勢が強まっていただろう。このタイミングで切り返したことから、売り急ぎは抑制されると思われる。直近の株価急落で過熱感が削がれている分、好決算を発表した銘柄には強烈な買いが入る展開も期待できる。過度な下振れ懸念は後退しそうな中、5日線(38550円、29日時点、以下同じ)や75日線(39044円)などテクニカルの節目を早々に上回る動きが見られるかが注目される。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ