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7月日銀会合の利上げ、FX個人投資家の期待はけっこう低い【外為短観 第182回】

外為短観ロゴ

<第182回>2024年7月27日

外為どっとコムの口座開設者のお客様を対象とした投資動向等に関するアンケート調査です。

分析・レポート作成
外為どっとコム総合研究所

調査実施期間
2024年7月19日(金)13:00~2024年7月23日(火)24:00

調査対象
外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』に口座を開設のお客様層。

調査方法
外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付。
今回の有効回答数は613件。
※必要項目を全て入力して回答して頂いたお客様を「有効回答数」としました。

 

問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください。

「今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が37.2%であったのに対し「円高・米ドル安」と答えた割合は38.5%であった。この結果「米ドル/円予想DI」は▼1.3%ポイントと前月の△46.3%ポイントから一転してマイナスとなった。
調査期間前後の米ドル/円相場は、米国の9月利下げ観測が高まった一方で日銀の月内利上げ観測が浮上したことに加え、世界的な株安を背景に155円台へと下落した。そうした中で、個人投資家の米ドル高・円安の見通しも大きく後退しており、結果的に強気派と弱気派が拮抗する形となった。
今後1カ月の米ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が165.70円、最安値が145.00円となり、高値の平均値は160.14円、安値の平均値は154.02円であった。高値の中央値は160.00円、安値の中央値は155.00円だった。実勢レートが前回調査時(最終日)から4円程度切り下がったのに対して、高値・安値の予想中央値には大きな変化は見られなかった。なお、調査期間終了後に米ドル/円相場は、比較的あっさりと155.00円を割り込んだ。個人投資家にとっても下げ幅は想定外だったようだ。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください

「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が、31.2%であったのに対し「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は34.4%であった。この結果「ユーロ/円予想DI」は▼3.2%ポイントとなり、前月の△24.5%ポイントから一転してマイナスとなった。 
調査期間前後のユーロ/円相場は、円全面高の展開の中、約1カ月ぶりに168円台へと下落した。本邦政府関係者が日銀による利上げに言及したことなどもあって、個人投資家はユーロ高・円安の予想を後退させたようだ。
 今後1カ月のユーロ/円相場の高値と安値の予想については、最高値が180.00円、最安値が155.00円となり、高値の平均値は174.04円、安値の平均値は168.52円であった。高値の中央値は174.00円、安値の中央値は169.00円であった。前月調査時(最終日)から実勢レートが2円程度切り下がったのに合わせて高値と安値の予想中央値が2~3円程度、円高・ユーロ安方向にシフトした。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください

「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が、32.3%であったのに対し「円高・豪ドル安方向」と答えた割合は32.0%であった。この結果「豪ドル/円予想DI」は△0.3%ポイントとなり、前月の△40.9%ポイントからプラス幅が大きく縮小した。
 調査期間前後の豪ドル/円相場は、日銀の利上げ観測が浮上したことや世界的な株安を受けて105円台から103円台へと下落した。こうした中で円高・豪ドル安を予想する向きが増加したと見られるが、一方で豪中銀(RBA)の利上げの目が残っているため、豪ドル高・円安の予想がやや優勢だったと考えられる。
 今後1カ月の豪ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が112.00円、最安値が90.00円となり、高値の平均値は107.65円、安値の平均値は100.93円であった。高値の中央値は108.00円、安値の中央値は100.50円だった。前月調査時(最終日)と比べ実勢レートが3円程度切り下がったのに合わせて、安値の予想中央値は2円程度、円高・豪ドル安方向にシフトした。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください

「今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通し」については、「英ポンド高・円安方向」と答えた割合が、32.5%であったのに対し「円高・英ポンド安方向」と答えた割合は31.6%であった。この結果「英ポンド/円予想DI」は△0.9%ポイントとなり、前月の△34.1%ポイントからプラス幅が大幅に縮小した。
調査期間前後のポンド/円相場は、日銀による利上げ観測や世界的な株安が重しとなり、204円台から200円台へと下落した。英中銀(BOE)が8月会合で利下げを実施する可能性が一時より低下する中で、個人投資家の英ポンド強気スタンスはかろうじて維持されたようだ。
今後1カ月の英ポンド/円相場の高値と安値の予想については、最高値が215.00円、最安値が180.00円となり、高値の平均値は206.53円、安値の平均値は199.74円であった。高値の中央値は207.00円、安値の中央値は200.59円だった。前月調査(最終日)から実勢レートが2円弱切り下がったのに対して予想中央値は前回から2.5~4.5円程度の上方シフトとなった。調査期間中は軟調だったとはいえ、調査期間前には一時208円台まで上昇していたことから、個人投資家の予想値も目線が上がっていたようだ。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか

今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「米ドル」と答えた割合が33.8%で最も多かった。ほとんど差がなく「円」が33.4%で続き、以下「トルコリラ(9.6%)」、「英ポンド(6.0%)」、「メキシコペソ(5.2%)」、「豪ドル(4.9%)」、「ユーロ(3.6%)」と続いた。今回も「米ドル」が首位の座を維持したが、2位の「円」との差は著しく縮まった。7月11日以降の円全面高を目の当たりにしたことで、円安トレンドの終了と円高トレンドへの転換を見込む個人投資家が増えたようだ。自由記述形式で「円」と答えた理由を尋ねたところ、「日銀の利上げ」を挙げる回答が最も多かった。「9月に米国が利下げし、日銀が利上げをする」などとして、日米金利差の縮小を挙げる回答も目立った。そのほか、「トランプ氏が米国の大統領になりそうだから」との声や「キャリートレードの巻き戻しが加速する」との見方も出ていた。

問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか

問5とは反対に、今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「円」と答えた割合が37.0%と最も多かった。次いで「米ドル」が僅差で34.9%、さらに「ユーロ(6.4%)」、「中国人民元(5.5%)」、「メキシコペソ(4.2%)」、「トルコリラ(3.9%)」、「英ポンド(2.9%)」と続いた。今回も「円」が首位ではあったが、2位の「米ドル」との差は大きく縮小した。「円」と回答した理由については「日銀が利上げしても微々たるもので(円安)トレンドが転換するほどではない」、「金利差だけでなく貿易赤字で且つ実需の円売りの構造的な問題があるため」などとする声が挙がった。「米ドル」と答えた理由については「米国の景気後退が近い」、「FRBの利下げ」、「トランプ氏がドル安に誘導する」などの回答があった。

問7:日銀の追加利上げはいつ行われると思いますか。次のうちから選んでお答えください。(ひとつだけ)

今回の特別質問として「日銀の追加利上げはいつ行われると思いますか」と尋ねたところ「来年1月以降」が33.1%で最も多かった。次いで「9月」が30.7%、「12月」が13.5%、「10月」が13.2%と続き、「7月」は9.5%で最も少なかった。なお、日本の短期金利市場は7月30-31日の日銀金融政策決定会合での利上げを一部織り込む動きが見られ、年内の利上げについては完全に織り込んでいる。それに比べ、個人投資家の日銀に対する利上げ期待は低いと言わざるを得ないようだ。仮に日銀が7月31日に利上げに踏み切った場合は、多くの個人投資家にとってサプライズとなりそうだ。

問8:FRBが利下げを開始するのはいつだと思いますか。次のうちから選んでお答えください。(ひとつだけ)

今回のふたつ目の特別質問として「FRBが利下げを開始するのはいつだと思いますか。」と尋ねたところ「9月」と答えた割合が46.2%に上り最も多かった。次いで「来年1月以降」が19.2%、「11月」が18.3%、「12月」が12.2%と続き、「7月」は4.1%で最も少なかった。米金利先物市場の織り込みは「9月」がほぼ100%となっているが、個人投資家の米利下げに対する見方は市場ほど前のめりではないようだ。日銀会合と同日に開催される7月30-31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米金利先物市場が完全に織り込んだ9月の利下げ開始に向けたシグナルが出るか注目されよう。


本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。また、本レポートに記載された意見や予測等は、今後予告なしに変更されることがございます。なお、本レポートにより利用者の皆様に生じたいかなる損害についても、株式会社外為どっとコム総合研究所ならびに株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承願います。 Copyright©2024Gaitame.com Research Institute Ltd. All Rights Reserved. https://gaitamesk.com/
 
kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
uehara.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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