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東証プライムの売買代金は概算で3兆4800億円。業種別では海運、銀行、ゴム製品などが上昇した一方、精密機器、電気・ガス、その他製品などが下落した。国内半導体株は米半導体株の上昇を受けてもさえない銘柄が多かった中、アドバンテストが3%近い上昇。場中も上げ幅を広げて高値圏で終了した。反面、1Qが大幅な減益となった両毛システムズが後場に入って急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1127/値下がり472。上方修正を発表した日本郵船が商いを伴って8.2%高と急伸。川崎汽船が6.4%高、商船三井が5.3%高と、同業ににも期待買いが入った。三菱UFJ、三井住友、みずほFGのメガバンク3行が強めの上昇。事業譲受に関するリリースを材料に横浜ゴムが買いを集めた。経産省主催の「日本スタートアップ大賞2024」で文部科学大臣賞を受賞したと発表したChordiaがストップ高まで買い進まれた。
一方、エヌビディアなど米半導体株の強い上昇を受けても、レーザーテックやディスコなど半導体株の一角が下落。全体のセンチメントを大きく悪化させた。アシックスや住友林業など、足元高値圏で推移していた銘柄が利益確定売りに押された。指数寄与度の大きいソフトバンクGとファーストリテイリングがそろって下落。ウエルシア、クスリのアオキ、コスモス薬品などドラッグストア関連に大きく売られるものが多かった。
本日、スタンダード市場に新規上場したフィットイージーは、初値は公開価格を大きく上回ったものの、終値は初値を下回った。
日経平均は大幅高スタートも、値を保てず下落で終えた。印象は悪いが、マイナス圏に沈んでも売りが加速しなかったことは期待の持てる動き。プライムの値上がり銘柄も1000を超えており、半導体株の弱さが他には波及しなかった。売りの峠は越えた可能性がある。引け後にはニデックが通期見通しの上方修正と1:2の株式分割を発表している。分割にはサプライズ感があり、決算発表の先陣を切る企業からこういったリリースが出てくると、後に続く企業に対する期待も高まってくる。本日の米国では引け後にアルファベットやテスラが決算を発表予定で、ここからは日米で業績相場の様相が強まってくる。この時点で日本株に過熱感が乏しいだけに、あす以降の日経平均はこれまでに比べると底堅く、上を試しやすい動きになると予想する。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ