本日のロンドン為替市場のユーロドルは、5月のユーロ圏鉱工業生産を見極めながら、18日の欧州中央銀行(ECB)理事会に向けて動きづらい展開が予想されるものの、トランプトレードによるドル買い圧力の高まりには警戒しておきたい。
トランプ前大統領銃撃事件を受けて、秋の大統領選で同氏が勝利する可能性が高まったとの見方から、インフレ圧力の高まりを想定したトランプトレードが再燃しつつある。
5月ユーロ圏鉱工業生産は前月比-1.0%、前年比-3.6%と予想されており、4月の前月比-0.1%、前年比-3.0%からの悪化が見込まれている。予想通りならば、ユーロの上値を抑える要因となる。
ECB理事会では、6月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)が前年比+2.5%、コア指数が同比+2.9%だったことで、政策金利の据え置きが見込まれている。そして、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始確率の上昇が、ユーロドルの買い要因となっている。
ユーロドルの上値を抑える要因としては、フランス議会が単独過半数の政党がいないハングパーラメントに陥り、連立政権の先行きに不透明感が高まっていることや、欧州委員会がフランスに対して過剰赤字手続き(EDP)を開始すると勧告していることで、フランスの財政危機への警戒感が高まっていることなどが挙げられる。
格付け会社ムーディーズは「大連立政権が樹立されれば意思決定や債務管理がより困難になる」とし、信用格付けにマイナスと警告している。
また、先週末に本邦通貨当局がユーロ売り・円買い介入を実施したとの噂が流れており、ユーロ円の上値を抑える要因となっていることで、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0981ドル(3/8高値)
・ユーロ円:173.45円(日足一目均衡表・転換線)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0824ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:171.48円(日足一目均衡表・基準線)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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