来週の為替予想（豪ドル/円 NZドル/円）「豪州の労働市場次第でRBAの利上げ観測に変化？」ハロンズ FX 2024/7/13

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執筆：外為どっとコム総合研究所　中村　勉
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今週の振り返り

今週の豪ドル/円は108.37円前後、ニュージーランド（NZ）ドル/円は98.69円前後で週初を迎えました。今週は豪州にて主要経済指標の発表がなかったことから、豪ドル/円は株価動向を睨んだ動きが主だったものとなりました。10日にはニュージーランド（NZ）準備銀行（RBNZ）が政策金利を市場予想通りに5.50%で据え置きました。ただ、議事録に「2024年後半にインフレは中銀目標の1-3%に戻ると確信している」と記してありました。RBNZは前回5月の会合では追加利上げの可能性に言及していましたが、今回の声明は前回からタカ派度合いがトーンダウンしていると市場は受け止めました。NZドル/円はRBNZ前には38年ぶりとなる99円台に乗せる場面も見られましたが、RBNZの発表を受けて98円台前半まで押し戻されました。
豪ドル/円はNZドル/円の下落につれる場面もありましたが、主要通貨の中では唯一利上げの可能性を残しているということもあり、1991年以来33年ぶりとなる109円台まで上伸しました。ただ11日のNY時間に政府・日銀による円買い介入と思われる動きがあり、107円台半ばまで押し戻されています（執筆時）。

豪雇用統計が悪化なら RBAの利上げ観測が後退？

来週は18日に豪6月雇用統計が発表されます。6月18日に開催された豪準備銀行（RBA）理事会の声明で、雇用について「労働市場は依然として逼迫しているが、予想通りここ数カ月は徐々に緩和し続けている」と評価しています。5月にRBAが公表した金融政策報告書内で6月末時点の失業率予想は4.0%です。市場が予想する6月の失業率は執筆時点では4.1%です。市場予想通りもしくは、予想よりも悪化していた場合には、「労働市場のひっ迫が緩和されつつあることがインフレ鈍化につながる」との思惑からRBAの追加利上げ期待が後退することになりそうです。この際、豪ドルは売りで反応することになりそうです。ただブロックRBA総裁が6月の会合後の記者会見で示した通り、RBAが最も注目しているのは7月31日に発表される4-6月期消費者物価指数（CPI）です。また、最近の豪ドル/円は米国などの利下げ期待を背景とした株高に支えられています。そのため、豪6月雇用統計で下落した場合も下値は限定的になると見ています。

NZ四半期CPI次第でRBNZの利下げ期待が加速

前述の通り、RBNZは10日に政策金利を据え置きました。議事録ではインフレの鎮静化に自信を示しています。17日にはNZ4-6月期CPIが発表されます。NZではCPIは四半期毎にしか発表されません。そのため、今回発表のNZ4-6月期CPIはRBNZの次の一手を占う上で重要になります。市場予想前年比3.4%で前期（+4.0%）から大きく鈍化となっています。市場の予想通りの結果となれば、RBNZへの利下げ期待がさらに高まることになりそうです。一方で、市場予想よりも小幅な鈍化（もしくは、横ばいか反発）だった場合は、市場の期待が高まっていただけに相応の反発が見られそうです。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は33年ぶり高値水準まで上昇してきています。上値は7月11日高値の109.37円前後や1991年高値の109.54円前後、心理的節目となる110円前後が目途となりそうです。その上の水準ではあまり目途が見当たりません。一方で下値ですが、日足一目均衡表・基準線がサポートとなりそうです。

【豪ドル/円　日足・一目均衡表】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ：AUD/JPY：106.00-109.50、NZD/JPY：96.00-99.00

7/15週のイベント:

07/15 (月) 11:00 中国 4-6月期四半期国内総生産（GDP）
07/15 (月) 11:00 中国 6月小売売上高
07/15 (月) 11:00 中国 6月鉱工業生産
07/17 (水) 07:45 NZ 4-6月期四半期消費者物価（CPI）
07/18 (木) 10:30 豪 6月新規雇用者数
07/18 (木) 10:30 豪 6月失業率