なぜ円安は止まらない?金利差と新NISAの意外な影響 | 専門家が語る為替介入の可能性と今後の展望【マット今井 実践トレードのつぼ】
収録日:2024/7/4
元邦銀ディーラーの今井雅人氏が現状の世界経済を詳細に分析し、今後の為替相場動向まで踏み込み見通しを示します。
時間がない方向け「ポイント要約」
目次
0:00 今回のダイジェスト
0:41 円安加速:金利差とグローバルインフレの影響
1:33 為替介入の可能性と市場の見方
2:04 日銀の政策と円安対策
4:12 円安の経済的影響:輸出企業と国際的地位
4:58 新NISAと円安:予期せぬ影響
5:44 円相場の見通し
6:16 【PR】口座開設特別キャンペーン
動画要約・まとめ
円安加速:金利差とグローバルインフレの影響
現在、円安が止まらない状況が続いています。主な要因は日本と他国との金利差です。特にアメリカは当面利下げを行う予定がなく、この金利差は維持されそうです。さらに、世界的なインフレの高止まりにより、日本以外の国々の金利も高い水準を保っています。結果として、円はドルだけでなく、多くの通貨に対して弱くなっています。
為替介入の可能性と課題:日本政府の対応
ドル円相場が161円台後半に達しているにもかかわらず、日本政府は介入を行っていません。その理由は主に二つあります。一つは、円安の進行が緩やかで介入のタイミングを計りにくいこと。もう一つは、介入の効果が疑問視されていることです。
日銀の政策変更:円安対策の鍵
円安を止めるには、日本銀行の大胆な政策変更が必要だと考えられています。7月31日の日銀会合では、国債買い入れ額の減額が予定されていますが、市場に影響を与えるには大幅な減額が必要です。また、政策金利の引き上げも効果的ですが、長期金利の上昇は日銀自身のバランスシートにも影響を与える可能性があり、難しい決断を迫られています。
円安の経済的影響:輸出企業と国際的地位
円安は輸出企業にとってはプラスですが、国際的に見ると日本の購買力低下を意味します。これは日本の国際的な地位低下につながる恐れがあります。
新NISAと円安:予期せぬ影響
今年から始まった新NISAは、皮肉にも円安を加速させている可能性があります。海外投資の増加が円売り圧力となっているためです。
円相場の見通し
明日の米雇用統計発表は注目されますが、それだけで状況が大きく変わることはないでしょう。円安問題の根本は日本側にあるため、日本で何らかの変化がない限り、円安傾向は続くと予想されます。
この問題に対する日本政府と日本銀行の危機感と対応が、今後の円相場を左右する重要な要素となります。しかし、現時点では有効な解決策が見当たらず、短期的にはさらなる円安が進行する可能性が高いと考えられます。
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今井雅人 氏
1962年生まれ、岐阜県下呂市出身。上智大学卒業後、1985年に三和銀行入行、1987年よりディーリングの世界に入る。1989年から5年間シカゴに赴任、その間多くの著名トレーダーと出会う。日本に戻ってからは為替部門に従事。2004年3月までUFJ銀行の為替部門の統括次長兼チーフディーラーを勤めていたが、同年4月に独立。内外の投資家にも太いパイプを持ち、業界を代表するトレーダーとして活躍するが、2009年8月第45回衆議院選挙に立候補し、初当選。現在は、経済アナリスト活動など多忙な毎日を送る。元東京外為市場委員会委員、東京フォレックスクラブ理事歴任。株式会社マットキャピタルマネージメント代表取締役。
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