円安進行の要因と日銀政策の影響 | 為替介入の可能性と主要通貨の動向を分析【マット今井 実践トレードのつぼ】
収録日:2024/6/27
元邦銀ディーラーの今井雅人氏が現状の世界経済を詳細に分析し、今後の為替相場動向まで踏み込み見通しを示します。
時間がない方向け「ポイント要約」
目次
0:00 今回のダイジェスト
0:44 ドル円:160円を突破
1:19 為替介入の可能性と市場の見方
2:38 日銀の政策と円安対策
3:45 豪ドル円:堅調な動き
4:09 メキシコペソ円:不安定
4:35 【PR】口座開設特別キャンペーン
動画要約・まとめ
ドル円:160円を突破
ドル円相場が160円を超える展開となっている。前回160円に到達した際は、急激な上昇後すぐに下落するという激しい動きを見せたが、今回は比較的穏やかな円安の進行が特徴的である。
現在の市場環境は、大きな材料に乏しい状況にある。そのため、日米間の金利差が主な要因となり、徐々に円安が進行するという典型的なパターンが続いている。
為替介入の可能性と市場の見方
為替介入に関しては、160円を超えると警戒感が高まるのが通例だ。しかし、今回の円安の進行は緩やかであるため、当局も介入のタイミングを図りかねている状況にある。過去の介入事例を見ると、神田財務官は市場の予想を裏切るようなタイミングや手法を選択する傾向がある。そのため、現時点での介入は予測しやすすぎるという見方もあり、今後の展開が注目される。
日銀の政策と円安対策
この円安傾向を止められる可能性があるのは、日本銀行(日銀)の政策変更だろう。来月、日銀は国債買い入れ額の減額を予定している。これを大幅に実施すると同時に、政策金利の引き上げを行えば、円安傾向に歯止めがかかる可能性がある。しかし、日銀がそこまでの対応を取る意思があるかどうかは不透明だ。
豪ドル円:堅調な動き
他の通貨に目を向けると、豪ドルが比較的堅調な動きを見せている。これは、オーストラリアが今後も利上げを行う可能性があるためだ。現在、豪ドル円は106円台で推移しているが、数年前の50円台と比較するとまだ上昇の余地があると考えられる。
メキシコペソ円:不安定
一方、メキシコペソは不安定な動きを示している。一時8.9円台まで上昇したものの、その後下落している。急激な下落は考えにくいが、上昇も容易ではない状況だ。
今後の投資戦略
このような市場環境下では、ドル円の押し目買いや、他の通貨と円のペア(クロス円)の買いを狙う戦略が有効かもしれない。ただし、市場の変化に常に注意を払い、柔軟に対応することが重要である。
今井雅人 氏
1962年生まれ、岐阜県下呂市出身。上智大学卒業後、1985年に三和銀行入行、1987年よりディーリングの世界に入る。1989年から5年間シカゴに赴任、その間多くの著名トレーダーと出会う。日本に戻ってからは為替部門に従事。2004年3月までUFJ銀行の為替部門の統括次長兼チーフディーラーを勤めていたが、同年4月に独立。内外の投資家にも太いパイプを持ち、業界を代表するトレーダーとして活躍するが、2009年8月第45回衆議院選挙に立候補し、初当選。現在は、経済アナリスト活動など多忙な毎日を送る。元東京外為市場委員会委員、東京フォレックスクラブ理事歴任。株式会社マットキャピタルマネージメント代表取締役。
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