来週の為替予想（豪ドル/円 NZドル/円）「豪州のインフレは反発気味　RBAの政策決定への影響は？」ハロンズ FX 2024/6/22

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執筆：外為どっとコム総合研究所　中村　勉
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今週の振り返り

今週の豪ドル/円は104.08円前後で、ニュージーランド（NZ）ドル/円は96.50円前後で週初を迎えました。前週に台頭したフランスの政治不安を巡る過度の懸念が和らぐ中で、豪ドル/円は下値を切り上げる展開になりました。18日に豪準備銀行（RBA）が理事会を開催し、政策金利こそ市場の予想通り5.35%で据え置きとしましたが、声明がややタカ派的と捉えられたことも豪ドルが上値を伸ばす一因となりました。また、20日から21日にかけて米ドル/円が4月29日以来となる159円台へ上伸した影響もあり、豪ドル/円は105.90円前後と2007年11月以来の水準まで上値を伸ばしています。NZドル/円は底堅い展開。20日に発表されたNZ1-3月期国内総生産（GDP）は前期比+0.3%となり予想（+0.2%）を上回り、景気減速（リセッション）から脱出することになりました。この結果がNZドルの後押しとなりNZドル/円は2007年7月以来となる97円台まで上値を伸ばしています（執筆時）。

RBAはタカ派的据え置きだった　来週は注目のCPI発表！

RBAは18日の理事会で市場予想通り政策金利を5.35%で据え置きました。RBAは声明で、「経済見通しは依然として不透明で、最近のデータはインフレ率を目標に戻すプロセスがスムーズに進む可能性が低いことを示している」「最近のデータはまちまちだが、インフレ上昇リスクに引き続き警戒する必要があることが再確認された」など、インフレ再加速への警戒感を示しました。このRBA理事会前に、短期金利市場は年内の利下げを7割程度織り込んでいましたが、RBAの姿勢を確認したあとは2割弱まで落ち込んでいます。

来週は26日に豪5月消費者物価指数（CPI）が発表されます。豪州のインフレは、昨年12月から今年の2月にかけて前年比+3.4%で横ばいだったあと、3月（+3.5%）、4月（+3.6%）と2カ月連続で上昇しており、今回発表される5月分の市場予想は+3.8%になっています（6月21日執筆時）。RBAが5月に公表した金融政策報告の中で6月末時点でのインフレは+3.8%と予測していました。仮に豪5月CPIが市場予想を上回った場合はRBAの予測を上回ることになります。この場合は、市場が予想するRBAの年内利下げの可能性はさらに低下することになるでしょう。ブロックRBA総裁は今週の理事会後の記者会見で「4-6月期CPI（7月31日発表）が重要になる」との認識を示しています。そのため、今後のRBAの姿勢を確認するには4-6月期CPIが最も重要になります。ただ市場は常に先取りしようと動くものです。特にRBAが追加利上げの可能性を残していることから、CPIの強い結果には特に反応しやすい状態になっていますので、5月CPIの結果が強かった場合には素直に反応すると考えています。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は4月末以来上値を抑えていた104円台後半を上抜けて買いが加速しています。目先の上値目途は2007年10月31日高値（107.87円前後）となります。その上の水準ではあまり目途が見当たりません。一方で下値ですが、日足一目均衡表・転換線と同基準線がサポートとなりそうです。

【豪ドル/円　日足・一目均衡表】