ドル/円、160円を目指す展開か?ただ、円買い介入への警戒感がくすぶる
東京市場のドル/円は、4月29日以来の高値を更新。日本5月消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことなどから円売りが先行すると、仲値公示に向けてドル買いが優勢になり一時159.13円前後まで強含みました。ただ、その後は政府サイドによる円安けん制発言を受けて伸び悩んでいます。
欧州市場では、仏・独6月製造業・サービス業購買担当者景気指数(PMI)・速報値が予想を下振れる結果となりユーロ/円が下落。その動きにつ入れたドル/円は158.60円台まで弱含む場面もありました。
ドル/円は、159円台へ上値を拡大したことで4月29日に付けた160.20円台の34年ぶり高値が視野に入っています。ただ、政府・日銀による円買い介入への警戒感がくすぶっており159円台では上昇スピードが鈍りそうです。週末のポジション調整などからも神経質な展開となる可能性があるため注意が必要でしょう。なお、NY市場では米6月製造業・サービス業PMI・速報値が発表されます。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、3本の移動平均線が上向きで強気のパーフェクトオーダーを継続しています。158.00円を明確に突破したことで勢いが強まり159円台まで上値を拡大しています。次のチャートポイントである4月高値160.20円台に向けて上昇の勢いを保てるか注目です。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
6/21(金)
21:30 カナダ4月小売売上高
22:45☆米6月製造業PMI・速報値
22:45☆米6月サービス業PMI・速報値
23:00 米5月景気先行指標総合指数
23:00 米5月中古住宅販売件数
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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