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【見通し】ロンドン為替見通し=ユーロポンド、レンジ切り下げか 回復したランドにも注目

本日のロンドン為替市場ではユーロポンドの動きに注目。まずは序盤に発表される英雇用データを確認し、その後は欧州金融当局者の発言内容を見極めながらの取引となりそうだ。また、昨日は反発した南ア・ランドの動きも注視したい。

 日本時間15時に発表される英国の雇用指標では、4.3%と高止まりが予想される2-4月英失業率(ILO方式)を確かめるだけでなく、同時期の週平均賃金(除賞与)の伸び率も重要視される。英中銀が金融政策の判断材料の1つとしている賃金データは、前回6.0%で横ばいだった。今回は0.1ポイントの上昇が一部で予想されており、英利下げ開始時期の後ずれ観測を支えることになるか。

 ユーロポンドは昨日、0.8450ポンドを一時割り込み、2022年8月以来の安値を記録した。先週の欧州中央銀行(ECB)利下げをきっかけに上値が重くなり、欧州議会選挙の結果が嫌気されて週明けはユーロ売りポンド買いが強まったもよう。レンジを下に切り下げてきており、来週の英中銀金融政策委員会(MPC)を控えてトレンドに勢いがつくか注目される。

 ただし、ECBが次回利下げにやや慎重な姿勢であることには注意しておきたい。昨日はラガルドECB総裁が「金利は必ずしも直線的に低下するわけではない」などと述べた。本日もリトアニアやフランス、フィンランド、オーストリアの中銀総裁が講演予定。最も注視されるのが、ECBのチーフエコノミストでもあるレーン専務理事の発言だろう。

 南アフリカ総選挙後に売り優勢となったランドは、先週末でようやく下落が一服し、週明けも買い戻しが強まった。政局の先行きに光が見え始めたことがその要因。与党アフリカ民族会議(ANC)と野党第1党・民主同盟(DA)の大連立への期待が高まっているもよう。今後も南ア国内の政治関連報道に目を向けながらのランド取引となる。

想定レンジ上限
・ユーロポンド、日足一目・転換線0.8490ポンド
・ランド円、5月23日安値8.48円
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0825ドル

想定レンジ下限
・ユーロポンド、2022年8月26日週安値0.8408ポンド
・ランド円、6・7日安値8.19円
・ユーロドル、5月2日安値1.0674ドル

(小針)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ