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【市場概況】東京為替見通し=ドル円、底堅い展開か タカ派的なドット・プロットへの警戒感から

10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いで157.10円付近まで強含みに推移した。ユーロドルは欧州議会選挙での極右勢力の躍進やフランス政局不安を背景に1.0733ドルまで下落後、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の発言を受けて1.0767ドル付近まで下げ幅を縮めた。ユーロ円は欧州時間の安値168.30円から169.08円付近まで下げ幅を縮めた。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、本日から明日にかけて開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて動きづらい展開の中、タカ派的なドット・プロット(金利予測分布図)への警戒感から底堅い展開が予想される。

 昨日のドル円は、先週末に発表された米5月雇用統計での非農業部門雇用者数(前月比+27.2万人)と平均時給(前月比+0.4%)を受けたドル買いの流れで157.20円まで上昇した。もっともここからは、FOMCを控えていることや本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入への警戒感などから伸び悩む展開となった。

 FOMCでは、FF金利誘導目標5.25-50%の据え置きが確実視されており、注目ポイントは、ドット・プロットとパウエルFRB議長の会見となる。ドット・プロットでは、年内の利下げの回数が、これまでの3回から1-2回に減る可能性、前回2.5%から2.6%まで上方修正された中立金利が更に上方修正される可能性が警戒されている。
 
 なおシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では利下げ回数は11月FOMCのみの1回となっており、12月FOMCでは据え置きが見込まれており、年末のFF金利誘導目標は5.00-25%となっている。

 パウエルFRB議長の見解を代弁していると思われるウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は、「Fedは非対称的なアプローチを採用しており、弱い労働指標で利下げ前倒しは可能だが、強い労働市場は必ずしも利下げ先送りとはならず、むしろインフレ次第となる」と述べていた。

 明日は、FOMCが開催されている時に、インフレ指標である米5月消費者物価指数(CPI)が発表されるため、大幅な上昇や鈍化を示す数字だった場合には、FOMC声明やパウエルFRB議長の会見に影響を及ぼすことになるのかもしれない。

 ところで本邦通貨当局は、4月29日の第1弾介入を159円台、第2弾介入と5月2日未明の第3弾介入を157円台で行ったと推測されている。しかし、イエレン米財務長官が「為替介入は稀であるべき」と幾度も苦言を呈していることで、その後の157円台での円買い介入は見送られている。

 鈴木財務相は、先週末に「為替介入は抑制的に行われるべきものと考えている。今後も為替市場を注視し、必要に応じて万全の対応をとる」と述べており、本日も、ドル円が157円台後半まで上昇した場合には警戒しておきたい。



(山下)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ