執筆：外為どっとコム総合研究所 中村 勉
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今週の振り返り
今週の豪ドル/円は104.54円前後で、NZドル/円は96.50円前後で週初を迎えました。4日にはインドの総選挙が行われ与党が予想外の苦戦を強いられたことで、インド株が8%超急落しました。前日にはメキシコでも総選挙後の不安から市場が混乱しており、円キャリートレードの巻き戻しと見られる円買いが活発化。豪ドル/円は一時102.62円前後まで急落しました。その後発表された、豪1-3月期GDPや豪4月貿易収支は良い内容だったとは言えない結果でしたが、前述の混乱で買い戻された円が再び売られた影響もあり104円手前まで買い戻されました（執筆時）。
豪労働市場ひっ迫の緩和和続くか？
来週は13日に豪5月雇用統計が発表されます。豪州の労働市場を見ると昨年の7月を境に、それまでと状況が変わっています。昨年7月以前は正規雇用者数の増加が労働市場を支えていましたが、7月以降は非常勤雇用者数の増加が目立っています。特に顕著なのは前回発表の豪4月雇用統計です。正規雇用者は減少していましたが非常勤雇用者が大幅に増加していたため、総合の雇用者数変化も大幅に増加していました。一見、豪州の労働市場のひっ迫は続いているように見えますが、内容を見ると労働市場のひっ迫が緩んできていると捉えることが出来ます。今回発表される5月分でも、総合の雇用者数変化はもちろんですが、雇用の内容にも注目したいと思います。また、失業率にも注目です。4月時点での豪州の失業率は4.1%でした。豪州の失業率は2022年4月～2023年11月まで3%台で推移していたので、悪化していることが見て取れます。ただ、新型コロナのパンデミック前は5%台前半で推移していたことを考えると、「まだ豪州の失業率は低い」とも受け止められます。正規雇用者数の減少や失業率の悪化が見られれば、インフレ鈍化期待も高まることになりそうです。仮に労働市場の悪化を示す結果となれば、現在年内の利下げを5割程度しか織り込んでいないRBAの利下げ期待が幾分か高まることになりそうです。
【豪雇用統計の推移】
豪ドル/円のテクニカル分析
豪ドル/円は今週も104円台後半で上値を抑えられました。目先の上値目途は4月29日高値（104.95円前後）。その上は2013年4月11日高値の105.41円前後が次の上値目途として意識されそうです。一方で下値ですが、執筆時には日足一目均衡表・基準線がサポートとして機能しています。来週はこの基準線が101.02円前後から103.74円前後まで急上昇します（期間中の高安、104.859円と102.62円前後を抜けなければ）。急上昇する基準線が引き続きサポートとして機能するか注目です。その下では6月4日の安値（102.62円前後）、日足一目均衡表・雲が意識されそうです。
【豪ドル/円 日足・一目均衡表】
予想レンジ：AUD/JPY：102.00-105.00、NZD/JPY：94.50-97.50
6/10週のイベント:
06/11 (火) 10:30 豪 5月NAB企業景況感指数
06/12 (水) 10:30 中国 5月消費者物価指数（CPI）
06/12 (水) 10:30 中国 5月生産者物価指数（PPI）
06/13 (木) 10:30 豪 5月新規雇用者数
06/13 (木) 10:30 豪 5月失業率
一言コメント：
今度、家族で潮干狩りに行く予定です。調べると、入場料（管理されている場所のため）○○円で、1人〇kgまで持ち帰りOKと書いてありました。そんなに持って帰って消費できるのでしょうか？酒蒸し、炊き込みご飯、お味噌汁以外で何か良い調理方法を調べないといけません。
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員中村 勉（なかむら・つとむ）
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー（株）へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から（株）外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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