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【見通し】ロンドン為替見通し=ユーロドル、金融当局者の見解を確かめながらの取引

本日のロンドン為替市場でユーロドルは、昨日「タカ派的な利下げ」と受けとめられた欧州中央銀行(ECB)の決定に対して、金融当局者がどのような見解を示すのかを確かめながらの取引になりそうだ。

 ECBは昨日、0.25%の金利引き下げを決定した定例理事会の声明で、追加利下げの可能性についてはヒントを示さなかった。ラガルド総裁も「特定の金利経路に前もって拘束されるつもりはない」と記者会見で述べ、市場が過度に金利先安観を強めないようけん制した。

 本日の当局者講演は、欧州序盤の独連銀総裁から始まり、リトアニアやオーストリアの中銀総裁、シュナーベルECB専務理事やポルトガル中銀総裁が予定されている。メインイベントである5月米雇用統計を経て、ラガルドECB総裁も発言予定。

 ECBがインフレ見通しを上方修正したこともあり、ドイツやオーストリアなどタカ派勢の口調は強まりそうだ。ハト派寄りのシムカス・リトアニア中銀総裁やセンテノ・ポルトガル中銀総裁が追加利下げに慎重な姿勢をもし見せるようだと、ユーロドルが上値余地を試すきっかけになる可能性はある。

 なお本日はフランスで、ゼレンスキー・ウクライナ大統領がマクロン仏大統領と会談する。マクロン大統領は昨日、ウクライナに仏戦闘機を供与すると述べた。ウクライナ軍兵士をフランスで受け入れ、パイロット訓練をすることも発表。北大西洋条約機構(NATO)とロシアの対立がより鮮明になるようだと、地政学リスクを懸念した動きが為替市場でも見られるかもしれない。

想定レンジ上限
・ユーロドル、3月8日高値1.0981ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.0820ドル

(小針)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ