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【市場概況】東京為替見通し=ドル円、日米・金利動向に注視 円買い介入には要警戒か

31日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、予想を下回る4月米PCEコアデフレーターを受けて156.56円まで下落後、月末のロンドン・フィキシングのドル買いで157.35円付近まで反発した。ユーロドルは1.0882ドルまで上昇後、1.0840ドル付近まで下押しした。ユーロ円は170.75円まで上昇した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、日米10年債利回りの動向を睨みながらの値動きが予想される。引き続き本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性には警戒しておきたい。

 岸田首相は経済財政諮問会議で、「最近の円安の動きを十分注視しており、政府・日銀は引き続き密接に連携していく」と円安阻止を宣言。財務省による円買い介入、日銀による金融政策正常化、そして6月末に公表予定の「骨太の方針」でのレパトリ減税策などへの警戒感を高めている。

 2024年4月29日と5月2日の本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の金額は、9兆7885億円と発表され、2022年の9月22日、10月21日、24日の9兆1880億円を上回った。

 4月17日に開催された日米韓財務相会談の時、イエレン米財務長官は、自国通貨の急激な下落を巡る日本と韓国両財務相の懸念に留意する姿勢を示し、日本に対しては160円をレッドラインとして、ドル売り・円買い介入を容認していたとのことである。

 160円がレッドライン(本丸)ならば、4月29日(推定約約5.6兆円)の第1弾介入の159円台は内堀、第2弾介入と5月2日未明(推定約約4.1兆円)の第3弾介入の157円台は外堀と見なせるのかもしれない。本日も外堀の157円台で推移していることで、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性には警戒しておきたい。

 しかしながら、イエレン米財務長官は、幾度となく「介入が稀であることを願う。そのような介入がめったに起きず、過度な変動(ボラティリティー)がある場合に限定され、事前に協議(コミュニケーション)があることが期待される」と苦言を呈してきた。

 一方で神田財務官は、「日本から為替について投機的な動きによる過度な変動には引き続き注意が必要であることを伝えた」ことを明らかにした。「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは経済や金融の安定に対して悪影響を与えるとの考え方に沿って、適切に対応することが重要である」と述べている。米国を含め各国当局と緊密に連絡を取り合っていると述べ、介入が稀であることが望ましいのは言うまでもないした上で必要な場合には適切に対応すると強調した。

 5月27日に植田日銀総裁や内田日銀副総裁は、6月の日銀金融政策決定会合で金融政策正常化(追加利上げや国債買い入れオペの減額・撤廃)を示唆していた。しかし、先週末に日銀が公表した6月の国債買い入れオペの日程では、全ての年限で1回あたりの買い入れ予定額のレンジと月間の実施回数を前回から据え置いたことで、日銀の早期政策修正観測が後退している。


(山下)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ