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【市場概況】東京為替見通し=円安継続、国債買い入れオペに注目 G7控え介入は困難か

昨日の海外市場でドル円は、米長期金利の指標である米10年債利回りが4.45%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で「最近の指標はディスインフレの過程に想定していたより時間がかかりそうなことを示唆」「数人の当局者は必要ならさらなる引き締めに意欲」との見解が示されると、全般ドル買いが活発化し一時156.84円まで上昇した。ユーロドルは1.0818ドルまで弱含んだ。

 本日のドル円相場は引き続き円安地合いが継続されそうだ。昨日は本邦の長期債利回りが11年ぶりに1%まで上昇しただけではなく、2・5年債や超長期債の20・30年債なども上昇している。しかしながら、為替市場では本邦金利の動向に連れて円が買われることが全くなく、むしろ介入が観測された5月1日以来の水準までドル買い・円売りが進んだ。改めてドル円の買いトレンドの強さが示され、市場は円の売り場を探す流れは全く変わっていない。

 本日も円安トレンドは変わらないだろうが、まず注目されるのが日本時間10時10分頃に公表される日本銀行による国債買い入れオペ。13日に行われた買い入れオペで、残存期間5年超10年以下の国債買い入れ額を前回から500億円減らした。債券市場では日銀の早期の修正観測が期待されているが、上述のように本邦金利上昇が円買いには結びついていない。よってリスク要因としては今回のオペでは、前回17日のようにオペを据え置いた場合による金利低下で、円が売られるリスクの方が高くなりそうだ。

 また、為替介入警戒感はあるものの、介入が難しいと思われることもドル円を支えそうだ。前回観測された5月1日(日本時間2日早朝)の介入が157円だったこともあり、一部市場関係者の間では再び介入を警戒している。しかしながら、本日から25日にかけてイタリア・ストレーザで主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が開かれることで、本邦当局者が為替介入を行うのは極めて難しいと思われる。本邦の介入観測後にイエレン米財務長官が「G7の国の通貨は市場で決定されるべきだ」と発言しているように、G7前にこの原則を無視して介入を行うことは厳しいだろう。しかも、先日明らかになったバイデン米大統領の支持率は、大統領在任中の最低水準に並び、調査結果では「経済情勢を米国が直面する最大の課題」との回答だった。経済情勢の課題はインフレの高止まりということで、大統領選挙を控えインフレ圧力を高める自国通貨(ドル)安をバイデン政権は受け入れられないと思われることも、介入を行う難しさと言える。

 なお、本日は本邦からは対外対内証券売買契約等の状況が発表されるが、他はアジア・オセアニアを含め市場を動意づけるような主だった経済指標の発表予定がない。よって、本日のアジア時間では円相場が中心に動くことになるだろう。しかし、日本時間夕刻から欧州各国の購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表されることで、ここ最近値動きが限定的だったユーロなども動意づくことが予想される。


(松井)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ