主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年5月20日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼17日(金)の為替相場
(1):日銀 国債買い入れ額を据え置く
(2):中国経済指標はマチマチの結果
(3):ユーロ圏HICPは速報値から変わらず
(4):ボウマンFRB理事 タカ派的な発言
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:もみ合う時間帯が増えそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
17日(金)の為替相場
期間:17日(金)午前6時10分~18日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日銀 国債買い入れ額を据え置く
日銀は午前の金融調節(オペレーション)で長期国債の買い入れ額を前回から据え置いた。13日のオペで残存5年超10年以下の買い入れ額を前回から500億円減らしたことで、市場では日銀が政策正常化を早めるために買い入れ比率が高い中期ゾーン(3-5年)を減額するとの見方が出ていた。このため、据え置き発表後は円売りが優勢となった。
(2):中国経済指標はマチマチの結果
中国4月鉱工業生産は前年比+6.7%と市場予想(+5.5%)を上回った。一方で同小売売上高は前年比+2.3%と予想(+3.7%)を下回った。
(3):ユーロ圏HICPは速報値から変わらず
ユーロ圏4月消費者物価指数(HICP)・改定値は前年比+2.4%で速報値と同じだった。食品やエネルギーを除いたコアHICP・改定値も速報値と同じ前年比+2.7%だった。欧州中銀(ECB)のデギンドス副総裁はHICPについて「今後数カ月、インフレ率はこれらの数値付近で変動する」との見方を示した上で「2025年には2%という物価安定目標に向けて安定的に推移するだろう」と述べた。
(4):ボウマンFRB理事 タカ派的な発言
米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事は「今年はインフレ鈍化に関してさらなる進展はまだ見られない」「政策金利の維持でインフレはさらに低下する見通しだが、リスクはある」とした上で「金利変更には引き続き慎重、インフレ進展次第では利上げも辞さない」などと発言した。
17日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:もみ合う時間帯が増えそう
17日のドル/円は小幅続伸。日銀が国債買い入れオペの減額を見送ったことで円売りが先行すると155.98円前後まで上昇した。NY市場では155.24円前後まで反落する場面もあったが、米長期金利が上昇する中で下値は堅く、前日比30銭余りドル高・円安の155.71円前後に持ち直して取引を終えた。先週の週足はほぼ寄引同値の十字線で、買いと売りが拮抗状態にあることを示唆。15日の米4月消費者物価指数(CPI)を受けたドル売りと、その反動によるドルの買い戻しは概ね一巡したと見ていいだろう。
今週は強い手掛かりになりそうなイベントが少ないこともあってドル/円は方向感が出にくい相場展開となりそうだ。本日は155円台を中心にもみ合う時間帯が増えそうだ。
注目の経済指標:
特になし
注目のイベント:シカゴ連銀総裁発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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