メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 ：2024年5月17日15時25分
執筆・監修：株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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トルコリラ/円（日足チャート）
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週のトルコリラ/円は小幅高の展開
カラハン・トルコ中銀総裁が「インフレを引下げるために必要なことは何でもやる」と述べた14日には4.855円前後まで強含みましたが、ドル/円が米4月消費者物価指数（CPI)の発表後に下落すると、これにつれて16日には4.741円前後まで反落しました。ただ、ドル安でドル/リラが弱含んだことなどから下値は限定的で、世界的な株高などを背景に4.8円台を回復。17日の東京市場でも4.8円台を中心に底堅く推移しており、先週の終値を小幅に上回る水準を維持しています。なお、13日に発表されたトルコ3月経常収支は45.4億ドルの赤字、4月政府財政収支は1778億リラ（55.1億ドル）の赤字でした。
今週のトルコリラ/円の注目ポイントはトルコ中銀
23日にトルコ中銀が政策金利を発表します。政策金利は50.00％で据え置きの可能性が高そうですが、声明で追加利上げに前向きな姿勢を示すかが注目されるでしょう。カラハン中銀総裁は先週、5月のインフレ率が75％に達するとの見通しを示した上で、インフレ抑制に向けて必要なことは「何でもやる」と発言。一方で6月以降はインフレが鈍化基調に転じるとの見通しも示しています。そうした中で4月の声明と同様に、インフレ上昇リスクに注意を払う姿勢を強調するかが焦点です。このところ、格付け会社などからトルコのインフレ抑制に向けた姿勢に対する前向きな評価が出始めているだけに、中銀声明に市場の関心が向かうでしょう。
来週までのトルコリラ/円の見通し
予想レンジ
4.650円～4.950円
基調
底堅い
来週までの注目ポイント
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員神田 卓也（かんだ・たくや）
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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