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来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「インフレ鈍化のNZは利下げ開始前倒しのヒントを示すか?」ハロンズ FX 2024/5/18

 

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執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
X(Twitter):@gaitamesk_naka
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今週の振り返り

今週の豪ドル/円は102.77円前後で、NZドル/円は93.57円前後で週初を迎えました。週初は豪ドル、NZドルともに大きな材料もなく米ドル/円が5月2日以来となる156円台に乗せたことにつれて底堅い動きとなりました。14日に発表された米4月生産者物価指数(PPI)は市場予想通りだったものの、前月分が大きく下方修正されていたことを受けて、日米の株価指数が上昇したことで、15日には豪ドル円は一時104.03円前後、NZドル/円は94.81円前後まで上昇しました。15日のNY時間に発表された米4月消費者物価指数(CPI)の悪化を受けた米ドル/円の下落につれる場面もありましたが、米長期金利の低下を背景に米株価指数が上昇したことを好感して豪ドル/円は103円台後半まで反発、NZドル/円は94.84円前後まで上昇し週を通しての高値をわずかに更新しました。16日には豪4月雇用統計が発表され、市場は内容が悪いと判断したことで、豪ドル円は一時102円台まで下落、NZドル/円もこの動きに連れて、94円台前半まで下落する場面も見られましたが、米ドル/円が153円台半ばから155円台へ急反発した影響もあり、豪ドル/円は103円台後半、NZドル/円は95円台前半まで上昇しています(執筆時)。

豪雇用統計のなぜ?

5月16日に豪4月雇用統計が発表されました。結果は以下の通りです。

【豪4月雇用統計の結果】

雇用者数が増加しているのに失業率が悪化していることを疑問に感じる方もいるかもしれません。その理由は人口が増加しているためです。豪統計局の公表する最新の人口統計を見ると、2023年9月までの1年間で豪州の人口は約66万人増加しており、そのうちの8割に当たる約55万人は留学生やワーキングホリデーなどを含む豪州国外からの移住者となっています。これら国外からの移住者の大半は豪州での就労を目的としているため、就労可能人口が増加することになります。就労可能人口が増加している割には、雇用者数が増加していなかったため、失業率が悪化したわけです。今後も就労可能人口が増加することで、これまでの「労働力が足りない」状況から、「働き口が足りない」状況へ移行していきます。これまでのように好待遇で労働者を探さなくてもよい状況となりますので、賃金上昇率も低下に向かうことが考えられます。現時点で市場はRBAの利下げ開始は来年の2月と見ています。今後、CPIの低下や失業率の悪化が続けば、この利下げ開始時期が前倒しになる可能性があります。

RBNZ理事会は声明に注目!

来週は豪州ではRBA議事要旨以外は主要な経済指標の発表は予定されていません。RBA議事要旨は一部市場の予想に反して中立的な政策運営スタンスを維持した経緯や、今後に向けてのヒントを探すことになります。また、ブロックRBA総裁が理事会後の記者会見で、「経済が金利上昇を消化する必要がないことを望む」と発言するなどややハト派的と市場はとらえました。

また、来週は22日にニュージーランド準備銀行(RBNZ)が理事会を開催し政策金利を発表するほか、23日にはNZ1-3月期小売売上高が発表されます。注目はRBNZ理事会です。市場はRBNZが今回の理事会では政策金利を5.50%据え置くと予想しています。前回4月10日のRBNZ会合後に発表されたNZの経済指標を見ると、1-3月期四半期消費者物価指数(CPI)は4.0%と前期の4.7%から大きく鈍化しています。また失業率も1-3月期は前期の4.0%から悪化して4.3%となっています。インフレ率の鈍化と失業率の悪化を見る限り、NZのインフレ鈍化傾向は今後も続きそうです。RBNZのインフレ目標は1~3%ですので、その上限が近づきつつある中、今回の会合でRBNZがこれまで取っていた慎重な姿勢に変化があるか注目しましょう。現時点で、市場はRBNZの最初の利下げは10月になると予想しています。RBNZの声明内容が少しでもハト派に傾いているようであれば、10月会合の一つ前である8月会合での利下げ開始期待が膨らむ可能性がありそうです。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は5月10日の十字線を挟んで11連騰となっています。また16日の長い下ヒゲが豪ドル/円の底堅さを物語っています。目先の上値目途は4月29日高値(104.95円前後)となります。この水準を上抜けると、2013年4月11日高値の105.41円前後が次の上値目途となります。一方で下値ですが、日足一目均衡表・転換線が目先のサポートとなりそうです。その下では週足一目均衡表・転換線が101.36円前後に位置していますので意識されそうです。

【豪ドル/円 日足・一目均衡表】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:102.00-105.50、NZD/JPY:93.50-97.00

5/20週のイベント:

05/20 (月) 10:15 中国 1年物/5年物ローンプライムレート公表
05/21 (火) 09:30 豪 5月ウエストパック消費者信頼感指数
05/21 (火) 10:30 豪 豪準備銀行(中央銀行)、金融政策会合議事要旨公表
05/22 (水) 11:00 NZ ニュージーランド準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)政策金利
05/23 (木) 07:45 NZ 1-3月期四半期小売売上高
05/24 (金) 07:45 NZ 4月貿易収支

一言コメント:

今週は月曜日の午後から体調を崩し寝込んでいました。このところ暖かくなってきたとは言え、寒暖差が10℃以上あるので皆さんも体調には気を付けましょう。

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nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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