「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆：外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
X(Twitter) : https://twitter.com/gaitamesk_ueha
今日のドル円 テクニカル分析で環境認識（動画の内容 ポイントまとめ）
■ドル円の現状
- 朝方、156.50台まで上値をつけたが、その後は伸び悩み、大きく下落
- 一時的に156円台を割り込む展開となった
- 背景には米長期金利の低下とCPIに向けた調整の可能性がある
- 欧州時間（16時台）以降は、CPIに向けて様子見ムードから値動きが細っていく可能性がある
- 日足ベースでは、上昇トレンドは継続しており、移動平均線は3本とも上向きを維持
- 昨日までは陽線が7日連続で続いており、足元の値動きは強い
■今日の注目イベント
1. アメリカ4月消費者物価指数（CPI）
- 総合指数の前月比は横ばい、前年比はやや鈍化すると予想
- コア指数の前月比はやや鈍化、前年比は鈍化すると予想
- 4月はガソリン価格が上昇していたため、大きな鈍化は考えにくいという見方もある
- 最近のインフレ統計（ミシガン大の1年先期待インフレ率、ニューヨーク連銀の期待インフレ率、PPIなど）は予想を上回る結果も出ており、CPIも上振れのリスクがある
2. 4月小売売上高
- アメリカのGDPの7割が個人消費と言われており、小売売上高はそれを図る上で重要な統計
- CPIと小売売上高の結果をトータルで見る必要がある
■今後の見通しと注意点
- CPIの結果次第では大荒れになる可能性があるため、注意が必要
- 取引する際は、なるべくポジションを解消し、結果発表後に方向感が出てきたら判断するのが良い
- フィボナッチを当てた際の半値戻しの水準（156円台）はサポートになっている
- 上値のターゲットは61.8%戻しの157円台
- 157円台の上値を模索する場合、ゴールデンウィークに介入があったと見られる157円台半ばに近づくと、介入警戒感から神経質な値動きになる可能性がある
- 反落した場合は、38.2%戻しの155円がサポートになる
総じて、ドル円は大注目のCPIを控えており、結果次第では大荒れになる可能性がある。小売売上高の結果も合わせて見る必要がある。156円を挟んで上下に注目しながら、慎重な取引が求められる。
『最新のドル/円相場を解説』
『19時30分からFXのライブ配信』
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
お知らせ：FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員宇栄原 宗平（うえはら・しゅうへい）
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月（株）外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか！』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
