メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2024年5月10日15時25分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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豪ドル/円(日足チャート)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週の豪ドル/円は103円目前まで反発
ゴールデンウイーク中の日本政府・日銀による円買い騒動などで一時100.00円を割り込んだ反動による持ち直しの動きが続いています。米国の利下げ観測が復活したことでドル安・株高に振れる中、豪ドル高・円安も進み6日には102円台を回復。豪中銀(RBA)が政策金利を4.35%に据え置いた7日は、RBAのスタンスが思ったほどタカ派的ではなかったとの見方から豪ドル売りに傾く場面もありましたが、円売り主導で102円台に持ち直しました。その後も欧米株の上昇を背景に堅調を維持。9日には4月29日以来の高値となる102.90円台まで上昇しました。10日の東京市場でも102円台後半で推移しています。
今週の豪ドル/円の注目ポイントは豪労働市場
今週は15日に豪1-3月期賃金指数、16日に豪4月雇用統計(新規雇用者数、失業率など)と労働市場関連の重要統計が立て続けに発表されます。豪中銀(RBA)は先週の声明で労働市場について「状況はこの1年で緩和されたが、持続的な完全雇用とインフレ目標の達成に整合的な水準よりも引き締まったままだ」「賃金の伸びはピークに達したように見えるが(中略)まだ持続可能な水準を上回っている」「しかし、家計消費の回復が予想以上に遅くなり、生産高の伸び悩みが続き、労働市場が顕著に悪化するリスクもある」との認識を示しました。利上げも利下げも当面見送る「中立」の姿勢を示したものと見られます。それだけに、賃金指数や雇用統計が下振れすれば早期利下げの思惑が強まりやすい反面、上振れすれば高金利長期化の観測が高まりやすいと見られることから、一連の指標結果に豪ドルは敏感に反応する公算です。
来週までの豪ドル/円の見通し
予想レンジ
101.000円~104.500円
基調
方向感模索
来週までの注目ポイント
☆5/15 豪1-3月期賃金指数
☆5/16 豪4月雇用統計
・主要国株価、国際商品価格
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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