基調は円安方向への動き、今後は介入に慎重姿勢でマーケット正常化の兆し【マット今井 実践トレードのつぼ】
収録日:2024/5/9
元邦銀ディーラーの今井雅人氏が現状の世界経済を詳細に分析し、今後の為替相場動向まで踏み込み見通しを示します。
時間がない方向け「ポイント要約」
目次
0:00 今回のダイジェスト
0:39 為替介入は終了か
1:59 メキシコペソ円の強さ
2:36 ドル円の見通し 円安基調の継続
3:06 米金融政策と今後の投資戦略
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要約
為替介入後のマーケットの回復
ようやく為替介入の影響からマーケットが立ち直ってきています。今週は少しずつ円安方向に戻ってきていますが、介入の後遺症から回復し、マーケットが正常化していく1週間だと位置付けていました。これから通常の動きに戻ると思います。
為替介入の規模と影響
今回、2回の介入があり、9兆円から10兆円規模のドル売り介入が行われたと推測されます。日本の外貨準備で自由に使える預金などのドルは約24兆円あると財務省のデータから読み取れますが、そのうち9兆円から10兆円を使ったため、今後は介入には慎重にならざるを得ないでしょう。一昨年も3回の介入で合計9兆1,000億円でした。そろそろ今年は、よほどのことがない限り介入はないだろうと、市場も気づき始めてくると思います。
メキシコペソ円の強さ
一時期、ドル円は151円台まで下がりましたが、メキシコペソ円は下げ渋り、下値が非常に固かったです。他の通貨に比べ下げ幅が小さく、介入に強い面を見せました。現在9円台に戻ってきており、金利を取りながらキープしておくのがよいでしょう。
円安基調の継続とドル円の見通し
基本的には円じり安が続くと思われます。ドル円は一旦156円あたりが高値だと思われますが、その後はしばらく揉み合いに入り、次の方向性を探ると予想されます。今後は変動幅が小さくなっていく局面に入るのではないでしょうか。
アメリカの金融政策と今後の投資戦略
非常にやりにくい状況ですが、介入があったことを考慮し、ドル円はロングで方針を作っていくつもりです。アメリカの利下げは6月には行われず、早くても9月、10月になると思われるため、今のところはあまり気にしなくてもよいでしょう。そういう環境の中で取り組んでいきたいと思います。
今井雅人 氏
1962年生まれ、岐阜県下呂市出身。上智大学卒業後、1985年に三和銀行入行、1987年よりディーリングの世界に入る。1989年から5年間シカゴに赴任、その間多くの著名トレーダーと出会う。日本に戻ってからは為替部門に従事。2004年3月までUFJ銀行の為替部門の統括次長兼チーフディーラーを勤めていたが、同年4月に独立。内外の投資家にも太いパイプを持ち、業界を代表するトレーダーとして活躍するが、2009年8月第45回衆議院選挙に立候補し、初当選。現在は、経済アナリスト活動など多忙な毎日を送る。元東京外為市場委員会委員、東京フォレックスクラブ理事歴任。株式会社マットキャピタルマネージメント代表取締役。
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