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来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「RBAは声明に注目! 再びタカ派バイアスが強まるか?」ハロンズ FX 2024/5/3

 

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執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
X(Twitter):@gaitamesk_naka
日々、為替情報発信中!
執筆日時:2024年5月2日 11時15分

今週の振り返り

今週の豪ドル/円は103.18円前後で、NZドル/円は93.85円前後で週初を迎えました。前週末の金曜日(26日)の日銀金融政策決定会合で、日銀が政策金利を据え置いたことや、その後の植田日銀総裁の定例記者会見での発言がハト派的と捉えられたことなどにより、週初から円安地合いが継続しました。29日は東京勢は昭和の日で市場参加者が減少していたこともあり、仕掛け的な円売りが持ち込まれて米ドル/円は1990年4月高値の160.20円前後に面合わせしました。この流れにつれて、豪ドル/円は2013年4月以来の高値となる104.95円前後、NZドル/円は2007年7月以来の高値となる95.41円前後まで上値を伸ばしました。その後、本邦政府・日銀による円買い介入と思われる動きが入り、豪ドル/円は101.36円前後、NZドル/円は92.16円前後まで急落しました。30日に発表された豪3月小売売上高が市場予想(前月比+0.2%)に反して-0.4%となったことも豪ドルにとってはネガティブ要因となりました。1日のNYクローズ間際には本邦政府・日銀による第2弾の円買い介入と思われる動きとなり、一時豪ドル/円は99.87円前後、NZドル/円は90.76円前後まで下落しています(執筆時)。

経済鈍化の兆しが見える中、RBAは難しい舵取りに

来週は7日に豪準備銀行(RBA)理事会が開催されます。RBAは前回(3月)の理事会では金利を4.35%に据え置きました。これで金利据え置きは3会合連続となりました。3月の会合で注目されたのは、声明から「金利の更なる引き上げを排除することはできない」と言う文言が削除されていたことです。市場はこれを「RBAが引き締めバイアスを弱めた」と受け止めました。ただ、ブロックRBA総裁はその後の会見で「我々にできるのは慎重に行動することと、リスクがどちらかの方向に動くと判断した場合の行動に備えることだ」と述べているので、決して楽観的になったわけではありません。また、4月2日に公表された3月理事会の議事要旨には「将来のキャッシュレート(政策金利)の変更を選択肢に入れることも排除することも困難とするのが適切」との見方を示しています。つまり、当面の間は金利を据え置きデータ次第で利上げ、利下げどちらにも対応できる「ニュートラル」の状態を保つということです。こういった経緯もあり、短期金利市場では金利据え置きが予想されています。執筆時(5月2日)時点でのエコノミストによる市場予想も据え置きとなっていますが、まだ予想を提出しているエコノミストの数が少ないので今後変化する可能性はあります。
今回のRBA理事会の注目は声明となります。前述した通り、RBAは前回の理事会でタカ派的な姿勢をニュートラルに変更しました。その後発表された豪州の経済指標は表1の通りです。全ての経済指標が2月から3月にかけて悪化を示しています。雇用者数変化については、2月分が観測史上最高の増加幅(新型コロナパンデミック時のロックダウンの影響を受けた2020,21年を除く)を記録していたので、その影響があったことが考えられます。月次消費者物価指数(CPI)は12月から2月まで3カ月連続で3.4%だったところ、3.5%に反発しています。また、4月24日に発表された1-3月期CPIは前期の前年比+4.1%から+3.6%へ鈍化したものの、市場予想(+3.5%)を上回っていました。この期待ほど鈍化しなかった1—3月期CPIや反発した月次CPIの結果を受けて、RBAの姿勢に変化があるか注目したいと思います。すでに短期金利市場では「早ければ11月」と予想されていたRBAの利下げが「年内の利下げはない」(一部は利下げよりも利上げの可能性の方が高いと見ています)に変化しています。一方で、小売売上高は高金利や約2年間続いた高インフレの影響もあり年間を通してみても弱々しい伸びとなっています。インフレが高止まりする中で、弱い個人消費は豪経済の鈍化を印象付けるものとなっています。国内経済に鈍化の兆しが見える中で、インフレ鈍化のペースは予想よりも少し遅れています。RBAはどういった姿勢を見せるのでしょうか。

【表1 過去2カ月の豪主要経済指標結果】

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は11年振りの水準から急落しています。目先の上値目途は4月26日高値の103.47円となりそうです。その上では4月29日高値の104.95円が意識されそうです。一方で下値ですが、5月1日安値の99.87円前後が目先の目途となりそうです。その下では2023年5月以降、週足一目均衡表・基準線が強いサポートとなっているので同線が位置する99.30円付近が意識されそうです。

【豪ドル/円 日足・一目均衡表】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:99.00-103.50、NZD/JPY:90.00-94.00

5/6週のイベント:

05/06 (月) 10:45 中国 4月財新サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
05/07 (火) 13:30 豪準備銀行(RBA)、政策金利発表
05/09 (木) 未定 中国 4月貿易収支

一言コメント:

ゴールデンウィーク後半は泊りで遠出することにしました。ただ、渋滞には巻き込まれたくないので早めに移動する予定です。とは言え、渋滞に巻き込まれる可能性はゼロではないので携帯トイレと食料をしっかり持っていこうと思います。

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nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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