外為どっとコムが提供するCFDサービス「CFDネクスト」の各銘柄(WTI原油、金スポット、銀スポット、天然ガス)と米ドルの「相性」(相関性)をランキング形式でまとめました。銘柄ごとの変動要因についても簡素にまとめています。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
「米ドルとの相性抜群ランキング」(過去1週間の対米ドルでの相関係数)
順位 | CFD銘柄 | 相関係数 |
---|---|---|
1 | WTI原油 | -0.98 |
2 | 天然ガス | 0.08 |
3 | 銀スポット | 0.53 |
4 | 金スポット | 0.59 |
集計期間中(4/19~4/25)米ドルと負の相関が強かったのは原油だった。米国の金利高止まり長期化による米景気の悪化懸念が原油相場下落の一因となった。前週末に中東情勢を巡る懸念の高まりから金スポットや銀スポットは大きく上昇したが、その後中東情勢の過度の懸念が後退したことで、利益確定の売りが優勢となった。。
※米ドル建てで取引される資源は一般的に米ドルの動向と負の相関(逆相関)が強いと言われている
※数値が-1.0に近いほど米ドルの動きが直近の価格動向に影響を与えていたと考えられる
※資源価格は需給など様々な材料の影響で変動するため、必ずしも米ドルと負の相関関係が続くわけではない
WTI原油の変動要因と過去3カ月の値動き
ポイント:WTI原油価格は、中東を巡る過度のリスクが後退
原油相場の変動要因は以下の通り
NEW!・米経済にスタグフレーション懸念が台頭し米国内の原油需要低下の可能性が浮上している
・イスラエルがとイランに武力衝突の可能性があり中東の混乱が原油供給に関する市場の見方を左右する
・北半球の冬が終わり、ガソリン需要は増加しやすい
・ウクライナがロシアの製油施設への攻撃を続けており、原油ひっ迫懸念に繋がりやすい
・石油輸出国機構(OPEC)プラスは協調減産を継続
天然ガスの変動要因と過去3カ月の値動き
ポイント:天然ガス価格は、弱気な見通しが続く
天然ガス相場の変動要因は以下の通り
NEW! ・米エネルギー情報局(EIA)の週報では、米国内の天然ガス貯蔵量は92Bcfの増加と市場予想(83.83Bcf増)を上回った。米国内の天然ガスの貯蔵量は過去5年間の平均を約37%上回っていると報告(4/19時点)
※Bcf=10億立方フィート
・米エネルギー情報局(EIA)の短期見通し(4月)では、2025年まで米国内の在庫が高止まりする可能性が指摘されている
・米国内のLNG施設の停止で、米国内で供給過剰が起きている
・米国内のパイプラインやLNG施設が新設されて海外輸出が増加すれば、崩れた需給バランスが是正されて天然ガスの価格上昇に繋がる可能性
・米国内の天然ガス貯蔵量は毎年春から夏にかけて気温の上昇とともに増加する傾向にある
金(ゴールド)スポットの変動要因と過去3カ月の値動き
ポイント:金(ゴールド)スポット価格は、史上最高値から一旦下落
金(ゴールド)スポット相場の変動要因は以下の通り
・4月12日に史上初の2400ドル台を記録
・FOMCでの決定を受けて、貴金属に買いが集まる
・ウクライナ情勢や中東を巡る地政学的なリスクが金相場の支え
・中国やインドでの需要は引き続き強い
銀スポットの変動要因と過去3カ月の値動き
ポイント:銀スポット価格は、金スポットにつれて下落
銀スポット相場の変動要因は以下の通り
・金同様に装飾需要がある
・幅広い産業需要があり、需要の5割以上が工業用需要。そのため経済が上向くと銀の需要が増える
・太陽光パネルなど幅広く使われているため、ここ数年は供給不足気味
・価格が低い分変動率が大きくなってしまう
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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