株式会社トレジャリー・パートナーズ社が日経平均株価と米株市場についてまとめたデイリーレポートです。
前営業日の日本株式市場の振り返り
23日の日経平均株価は反発、前日比+113.55円、+0.30%となる37,552.16円で大引け。
前日の米国株式市場で主要3指数が反発したことをうけて、日経平均株価は前日の終値より358円高い37,797円で寄り付くと、まずは37,818円まで上昇。しかしその後に鈴木財務相が参院金融政策委員会で質問に対して回答、具体的な名称の使用は避けたがおそらく「為替介入」に関して日米韓の財務相会合を経て「環境は整った」との認識を示すと上値が重くなり11:00頃にかけて37,397円まで値を下げた。
その後は買戻しが優勢で前場の内に37,530円まで値を戻すと、後場は37,500円を底値として底堅く推移し37,552円でクローズ。
Passoverと呼ばれるユダヤ教の祝日に入ったこともあってかイスラエルとイランの情勢に大きな変化が見られていないことが市場のリスクオフムードを和らげている印象。
当日は小売、通信、化学の上昇が目立った。ファーストリテイリングが+72円、信越化学が+15円、NTTが+13円、それぞれ日経平均株価を押し上げた。
一方で電気機器や自動車は前日比でマイナス。個別銘柄が大きく下げたというよりは、同業種において全体的に軟調な推移となった。
なお23日NY時間の日経平均株価CFDは37,921円で取引されており、24日の東京株式市場は上窓を開けてのオープンが想定される。
前営業日の米国株式市場の振り返り
23日の米国株式市場は主要3指数が続伸。
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引き続きリスク資産の買戻しが優勢で、S&P 500指数は前日終値より18ドル高い5,029ドルで寄り付き。
22:45に発表されたS&P Global の4月PMI(購買担当者景気指数)において製造業が基準の50割れとなる49.9、サービス業が予想を下回る50.9となったことから米長期金利が低下、S&P 500指数は金利低下を好感し5,050ドル台まで上昇。
23:00に発表された米国3月新築住宅販売戸数は前月比+8.8%と好調、リッチモンド連銀製造業指数は▲7.7と予想通りであったが、両指数の相場への影響は限定的に留まった。
その後もS&P 500指数は底堅く推移し、NY午後に5,076ドルまで上昇したのち、5,069ドルで引けた。
日本株式市場に対するコメントと同じであるが、イスラエルとイランの情勢に大きな変化が見られていないことが市場のリスクオフムードを和らげている印象。
業種別では素材をのぞいて前日比で上昇したが、特にIT銘柄の買戻しが目立った。エヌビディアが+3.65%と続伸したほか、その他の半導体銘柄も好調。他にメタが+2.98%、マイクロソフトが+1.65%と続いた。連日不調のテスラも+1.85%とこの日は持ち直した。
本日の注目点
① 日銀会合に対する思惑やリーク。金曜日に日銀会合を控えて、今朝の2:00に日本経済新聞社が「日銀、円安加速の影響を議論」といった内容を報じた。注目の集まるイベントに対して報道各社からさまざまな報道がなされる可能性があり、それを受けた急な値動きを警戒したい。
② イスラエルとイランの情勢に注目。今のところ事態はエスカレートしていない。4月22日~4月30日はPassoverと呼ばれるユダヤ教の祝日のためイスラエルによる反撃は手控えられるという見方もあるが、状況を注視しておきたいところ。
③ 日本の財務省による為替介入。ドル円相場は1ドル155円が目前であり、ドル売り円買いの実弾介入が意識される。過度な変動は見られていないので為替介入を正当化する理由に乏しい気もするが、実施する場合には円の買い戻し、日経平均株価の下押し材料となる点に留意したい。
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