今週の注目通貨ペアはこれだ!
■ ドル/円 買い方は苦しくなった・・・
先週は、月曜日に高値を付け、金曜日に安値を付ける展開でした。週初は安定した動きでしたが、週央水曜日の陰線の出現により雰囲気が一変、終値ベースで直近の安値を更新しました。その後は陰線続きで買い方が投げを相場に持ち込む展開となり、週末に長期の移動平均線水準で何とか下げ止まってはいますが、趨勢としては下向きの動きを認めざるを得ず、買い方にかなり苦しい展開となっています。
移動平均線は、短期の下落が目立ちます。短期・中期の移動平均線がデッドクロスを形成した辺りから円高へ動き始めている様子がチャートからも見て取れます。MACDも下向きの動きを続け、MACD線はゼロライン割れ寸前のところまで下落してきていますね。2月に入ってからの上昇をすっかり失った形という評価が妥当でしょうか。
今週は、売り先行スタンスで入らざるを得ないような気がします。2月に入ってから買いポジションを作った人はほぼ全員が評価益を失った形になっていますし、先週の下落の勢いを見て「ここで止まる」という判断は早計と考えるのが合理的なように感じます。下落の目処はつきにくく、水準感で考える相場ではないと思いますので、基本的に短期勝負を前提としたスタンスで臨む必要があると考えます。
その他 通貨ペア分析
■ ユーロ/円 買い方はハシゴを外されたか・・・
先週は、月曜日に高値を付け、木曜日に安値を付ける展開でした。週初から週央にかけては、不穏な動きを見せるドル円と比較すると若干しっかりした値動き、チャートに変調をきたしたのは木曜日です。大きく下押ししたものの長い下ヒゲを伴って戻し、事なきを得たのか・・・と思ったところで金曜日の陰線の出現ということで、まるで買い方の希望を打ち砕くような形での越週となっています。
今週は、売り先行スタンスで臨まざるを得ないと思います。ドル円ほど悪い状況ではないように見えますが、かと言って「ここで買う」という判断に傾く人はほとんどいないような気がします。実体線は長期の移動平均線まで距離を残していますが、これがサポート要因になるのではなく、逆にターゲットとなる可能性も視野に入れておく必要があるのではないでしょうか。安易な押し目買いは報われない可能性が高いと考えたいところですね。
■ ポンド/円 比較的踏ん張ってはいるが・・・
先週は、月曜日に高値を付け、木曜日に安値を付ける展開でした。チャートの形状は概ねユーロ円と同じで、木曜日の長い下ヒゲの出現で買い方に安堵感を与えた後に金曜日の陰線で直近の安値を終値ベースで割り込む動きとなっています。ただ、下落の程度という話で言えば、ユーロ円よりもしっかりした印象を与えるチャート形成になっていることは間違いがなく、「下げ渋り」と見えなくもありません。
今週は、少し様子を見てみたい感じがします。ドル円・ユーロ円と対比すると(比較論ではありますが)大きな下落に見舞われていない印象を与えるチャートとも考えられますが、だからと言って水準感での押し目買いがワークするようにも思えず、売りでインするにはポンド円以外に有力な候補(ドル円・ユーロ円)があるという理由でポンド円を選択する必要がないといった状況だと思います。まずは下げ止まりを確認したいところですね。
■ オージー/円 独自の動きながら、やや下向きか・・・
先週は、水曜日に高値を付け、金曜日に安値を付ける展開でした。週初は落ち着いた動きを見せていましたが、火曜日以降は陰線・陽線の出現を繰り返し、また、97円台から98円台にかけてを上下に行ったり来たりを何度も繰り返しました。結局、金曜日は陰線で安く引けましたが、先々週の安値を終値ベースで下回ったわけでもなく、他の対円の通貨ペアとはやや異なる動きとなっています。
今週は、やや売り先行スタンスで臨みたいところです。先週の動きを見ると、水曜日の陽線・木曜日の長い下ヒゲといった買い方を支える材料を金曜日の陰線で完全に打ち消している点の評価が大きく、チャート的にも買いでインできる状況からは遠いことから、時間の経過とともに下値不安の大きさが意識される値動きを見込めるような気がします。終値ベースで先々週の安値を下回ってくると、やや下値不安が台頭してくるかもしれませんね。
■ ユーロ/ドル 久しぶりに買い方に陽が当たるか・・・
先週は、月曜日に安値を付け、金曜日に高値を付ける展開でした。先々週の流れを引き継ぎ、週初から堅調な動きとなりました。水曜日の時点で実体線が終値ベースで長期の移動平均線水準を久しぶりに回復し、木曜日以降も基本的には売り方の買い戻しが上値追いの実現に貢献したと考えてよいと思います。金曜日は上下にヒゲを伴ってやや微妙な足形となっていますが、高く引けている点自体は評価の対象とすべきでしょう。
今週は、気持ち買い先行スタンスで臨みたいところですね。先週金曜日の足形がイマイチの印象もありますが、実体線が終値ベースで高く引けるようであれば売り方の買い戻しが継続する可能性が高いと考えてよいと思います。何よりチャート的に売りを示唆するものが見当たらない状況ですので、時間の経過は売り方に不利に働く可能性が高いと考えられます。安易な戻り売りはワークしないような気がします。
今週のチャートリーディング ~相場の強さ~
本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。また、本レポートに記載された意見や予測等は、今後予告なしに変更されることがございます。なお、本レポートにより利用者の皆様に生じたいかなる損害についても、株式会社チャートリーディングならびに株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承願います。