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FX/為替「ドル/円、146.20円台の200日線の攻防が焦点に 関心は明日の米CPIへ」 外為どっとコム トゥデイ 2024年3月11日号

外為どっとコム トゥデイ

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2024年3月11日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼8日(金)の為替相場
(1):予想を上回る独経済指標
(2):日銀観測記事で全面的に円買い
(3):米雇用統計は下方修正に強く反応
(4):ECBに連続利下げ観測報道

▼8日(金)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:147.00円を挟んでもみ合う展開/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

8日(金)の為替相場

期間:8日(金)午前7時10分~9日(土)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):予想を上回る独経済指標

独1月鉱工業生産は前月比+1.0%と市場予想(+0.6%)を上回った。独1月生産者物価指数(PPI)は前年比-4.4%と市場予想(-6.6%)ほどには低下しなかった。その後に発表されたユーロ圏10-12月期域内総生産(GDP)・確定値は予想通りに修正なしの前期比±0.0%だった。

(2):日銀観測記事で全面的に円買い

「日銀、3月会合でマイナス金利解除など議論の見通し」「マイナス金利解除の支持に広がり、昨年上回る賃上げ期待」とする観測記事をロイターが報じた。記事によれば13日の春闘集中回答や15日の連合第1次集計まで見極めた上で最終的に判断するとのこと。さらにその後、時事通信は「日銀、国債買い入れ規模を示す新たな『量的』金融政策の枠組みを検討」と報じ、早ければ3月18-19日の会合でマイナス金利の解除とともにイールドカーブ・コントロール(YCC)を撤廃すると伝えた。これらを受けて円は全面的に上昇した。

(3):米雇用統計は下方修正に強く反応

米2月雇用統計は非農業部門雇用者数が27.5万人増と市場予想(20.0万人増)を上回った一方、失業率は3.9%と、横ばい予想(3.7%)に反して上昇。平均時給は前月比+0.1%、前年比+4.3%だった(予想+0.2%、+4.3%)。ドルは瞬間的に上昇したが、非農業部門雇用者数の前2カ月分が合計16.7万人下方修正されたことなどから一転して下落した。1月雇用統計をきっかけに利下げ後ずれ観測が高まり、ドル高に振れた経緯があっただけに1月の非農業部門雇用者数の下方修正に市場は強く反応した模様。

(4):ECBに連続利下げ観測報道

「欧州中銀(ECB)一部当局者、6月と7月の連続利下げ提案」との観測報道が伝わった。関係筋によると、7日に開いたECBの理事会では利下げに関する議論はほとんどなかったが、数人は4月の利下げ開始を支持した模様。6月の利下げ開始を支持する多数派の一部は、早期利下げを支持する少数派を取り込むために6月に続き7月も追加利下げを行うことを提案したとのこと。

8日(金)の株・債券・商品市場

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ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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  • ※ 尚、この外為注文情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

人気通貨ペア 本日の予想レンジ

ドル/円の見通し:147.00円を挟んでもみ合う展開

8日のドル/円は一時146円台へと続落して1カ月ぶりの安値を付けた。日銀の政策委員の間でマイナス金利の解除に支持が広がっているとの観測報道を受けて円買いが先行。米2月雇用統計は強弱入り混じる結果だったが、非農業部門雇用者数の前2カ月分が大幅に下方修正されたこともあってドル売りに傾いた。ドル/円は雇用統計の発表後に2月2日以来の安値となる146.47円前後まで下落。クローズにかけてやや値を戻したが、147円台前半で買い戻しが一巡すると、前日比0.7%安の147.06円前後で取引を終えた。ドル/円は、50日移動平均線と100日移動平均線を一気に下抜けたことで上値の重い展開になりやすいと考えられる。50日線と100日線が位置する147円台後半から148円付近は目先の上値抵抗になりそうだ。次の焦点は146.20円台を通る200日移動平均線を維持できるかだろう。もっとも、市場の関心は明日12日に発表される米2月消費者物価指数(CPI)に移っていることから、本日については下値追求ムードが強まる公算は小さいと見る。本日のドル/円は147.00円を挟んでもみ合う展開が見込まれる。

注目の経済指標:

特になし

注目のイベント:米3年債入札

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kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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