主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年1月31日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼30日(火)の為替相場
(1):ユーロ圏 2期連続マイナス成長を回避
(2):米労働市場に楽観的な見方強まる
(3):ECB総裁「次の一手は利下げで一致」
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:FOMCまでは147円台でもみ合う公算/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
30日(火)の為替相場
期間:30日(火)午前7時10分~31日(水)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):ユーロ圏 2期連続マイナス成長を回避
独10-12月期国内総生産(GDP)・速報値は前期比-0.3%と予想に一致。7-9月期GDPは-0.1%から±0.0%に上方修正された。その後に発表されたユーロ圏10-12月GDP・速報値は前期比±0.0%となり(予想-0.1%)、2四半期連続のマイナス成長をかろうじて回避した。
(2):米労働市場に楽観的な見方強まる
米12月JOLT求人件数は902.6万件と市場予想(875.0万件)に反して前月(892.5万件)から増加。米労働市場の底堅さを改めて示す結果となった。ただ、離職者数が339.2万人と約3年ぶりの水準に減少したことで、より高い賃金を求めて新たな職に就く労働者の動きが鈍っているとの見方も出ていた。なお、同時に発表された米1月消費者信頼感指数は予想通りに114.8となり、2021年8月以来の高水準に上昇した。中でも労働市場に対する楽観的な見方が強まっており、「現在、職探しが困難」と回答した割合が大幅に低下した。
(3):ECB総裁「次の一手は利下げで一致」
欧州中銀(ECB)のラガルド総裁は「ディスインフレ傾向にある。それは間違いない。だが、そのプロセスにさらに踏み込む必要がある」とした上で「次の一手は、それがいつであろうと、利下げだということで我々(ECB)は一致していると思う」と述べた。ただ、利下げの時期については明言しなかった。
30日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:FOMCまでは147円台でもみ合う公算
昨日のドル/円は終値ベースで約0.1%上昇の小幅高。147.10円台に弱含む場面もあったが、米12月JOLT求人件数が予想外に増加すると147.92円前後まで反発した。米労働市場の底堅さが改めて確認されたことで早期利下げ観測が後退。FedWatchが示す3月の利下げ確率は前日の47.2%から41.7%へと低下した。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を翌日に控えてドルの上値は伸びず、前日比で約10銭高い147.61円前後で取引を終えた。
本日も28時のFOMC声明発表までは147円台でもみ合う公算が大きい。FOMCはインフレの鈍化に鑑みてややタカ派姿勢を弱めると見るが、雇用情勢の堅調さを踏まえて早期利下げには一定の距離を置くと予想。その結果、ドルは乱高下しつつも堅調な展開を見込んでいる。もっとも、市場の見方がすでに3月利下げ見送りに傾きつつあることを考えるとドルが大幅に上値を伸ばすことは考えにくい。ドル/円は仮に148円を回復しても19日高値の148.80円前後を前に伸び悩みそうだ。
注目の経済指標:FOMC政策金利
注目のイベント:パウエルFRB議長発言
※時間は日本時間での表示になります。
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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