主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年1月15日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼12日(金)の為替相場
(1):中国CPI 3カ月連続のマイナス
(2):英月次GDPは予想を上回る
(3):米PPIが予想を下回りドル売り
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上値の重い展開が見込まれる/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
12日(金)の為替相場
期間:12日(金)午前7時10分~13日(土)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):中国CPI 3カ月連続のマイナス
中国12月消費者物価指数(CPI)は前年比-0.3%と3カ月連続のマイナスとなった。市場予想は-0.4%だった。同生産者物価指数(PPI)は前年比-2.7%(予想-2.6%)で、15カ月連続のマイナスだった。その後に発表された中国12月貿易収支は753.4億ドルの黒字と、黒字額は市場予想(749.5億ドル)を僅かに上回った。
(2):英月次GDPは予想を上回る
英11月国内総生産(GDP)は前月比+0.3%と市場予想(+0.2%)を上回った。同鉱工業生産は前月比+0.3%で予想に一致。同貿易収支は141.89億ポンドの赤字と赤字額は市場予想(156.50億ポンド)より少なかった。
(3):米PPIが予想を下回りドル売り
米12月PPIは前月比-0.1%、前年比+1.0%と市場予想(+0.1%、+1.3%)を下回った。食品とエネルギーを除いたコアPPIも前年比+1.8%と市場予想(+2.0%)を下回り、2020年12月以来3年ぶりの低い伸びとなった。これを受けて米長期金利が低下。連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げの観測が再燃する形でドル売りが強まった。前日の米英によるイエメン武装組織フーシ派軍事拠点への空爆を受けて一時75ドル台に上昇していたNY原油(WTI)が上げ幅を縮小したことも米長期金利の低下に繋がった。
12日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:上値の重い展開が見込まれる
12日のドル/円は米12月生産者物価指数(PPI)の下振れを受けて失速。中東情勢の緊迫化が懸念される中、ドルは145.56円前後まで強含んだが、米12月PPIが予想を下回ると米長期金利の低下につれて144.35円前後まで反落した。米12月コアPPIは前年比+1.8%と3年ぶりの低い伸びを記録。市場では早期利下げ観測が再び高まった。こうした中、ドル/円は本日も上値の重い展開が見込まれる。
5・10日につき仲値公示の前後ではドル買いがやや強まる可能性もあるが、海外市場にかけては米利下げ観測がドルの上値を抑えそうだ。なお、本日は米国がキング牧師誕生日の祝日のためNY株式・債券市場は休場。NYタイムの為替市場は閑散取引となる公算が大きい。
注目の経済指標:特になし
注目のイベント:中国MLF金利
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
経済指標・イベントの結果について
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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