執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
目次
- ▼1月2日週のユーロ/円、ポンド/円は底堅く推移
- ▼ユーロ/円、159円前半が分かれ目?
- △▼【ユーロ/円チャート 日足】
- ▼ポンド/円、短期は戻り売り目線
- △▼【ポンド/円チャート 日足】
- 1/8 週のイベント
- 一言コメント
執筆日時 2024年1月5日 16時50分
上昇ペースは一服か、主体性のない展開続く
1月2日週のユーロ/円、ポンド/円は底堅く推移
1月日銀会合での政策修正期待が後退したことを手掛かりに円安が進むと、ユーロ/円は155.066円を底値にして158.80円台、ポンド/円は178.721円を底値に184.10円台までそれぞれ上昇幅を広げました。ただ、米国の3月利下げ観測にも修正が入り、対米ドルでユーロやポンドの上値が抑えられたため、クロス円の上値も限定されました。(各レート水準は執筆時点のもの)
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※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。
ユーロ/円、159円前半が分かれ目?
米国や日本の金融政策に対する修正が入る中、ユーロは主体性のない動きを続けています。来週も主要な経済イベントが少ないため、ユーロは対米ドル、対円で方向性が揃わない値動きとなりそうです。目先は相場の方向性が掴みづらいため、ストップ注文をタイトに設定しながら短期売買を中心に流れが出た方向へ追随していく形が良さそうで、値幅を大きく取りに行く地合いではないように感じます。
ユーロ円はテクニカル的には、200日移動平均線にサポートされて、戻りを試しています。この後は、目先の抵抗帯である日足一目均衡表・雲の下限(159.350円)を突破できるかがポイントになり、ここの上抜けが達成出来れば161円回復も見えてきそうです。雲の下限に上値を抑えられれば、200日線のサポート力を再確認しに行くことになるのではないかと考えています。
【ユーロ/円チャート 日足】
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:EUR/JPY:155.000-161.000
ポンド/円、短期は戻り売り目線
英国の11月消費者物価指数は前年比3.9%と、2021年10月以来の水準まで低下し、英中銀による利上げサイクル終了が改めて意識されました。インフレ鈍化を受けて、企業の景況感も持ち直しの兆しが見られ始めており、ポンド復活への期待は少し広がっているように感じます。ただ、賃金の上昇圧力が未だ強いほか、インフレ率も英中銀の目標値を上回った状態で、直ちに景気支援的な金融政策へ舵を切るとの見方も早計でしょう。少なくとも、再来週のインフレ指標を確認するまでは、ポンド上昇への確信は持ちづらいと考えます。
ポンド/円もユーロ/円と同じく底堅い推移で戻りを試す流れが続いています。もっとも、日足一目均衡表の雲突入で、上昇ペースが緩む可能性が出てきたほか、期間21日のボリンジャーバンド(+2σ:184.05円、+3σ:185.40円、共に執筆時点)も縮小期の状態で、ここから先の上値追いは慎重に見極めたい局面と考えます。状況次第ですが、185円台は戻り売りで待ち構えても良いのではないでしょうか。逆に下方向は、200日移動平均線がサポートラインとして機能しており、この付近までの下押しがあれば、まずは買い目線で考えたいです。
【ポンド/円チャート 日足】
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:GBP/JPY:179.500-185.500
1/8 週のイベント
1/8(月) 16:00 ドイツ 11月製造業新規受注
1/8(月) 16:00 ドイツ 11月貿易収支
1/8(月) 19:00 ユーロ 12月経済信頼感
1/8(月) 19:00 ユーロ 12月消費者信頼感(確定値)
1/8(月) 19:00 ユーロ 11月小売売上高
1/9(火) 9:01 イギリス 12月英小売連合(BRC)小売売上高調査
1/9(火) 16:00 ドイツ 11月鉱工業生産
1/9(火) 19:00 ユーロ 11月失業率
1/11(木) 18:00 ユーロ ECB経済報告
1/12(金) 16:00 イギリス 11月月次国内総生産(GDP)
1/12(金) 16:00 イギリス 11月鉱工業生産
1/12(金) 16:00 イギリス 11月製造業生産指数
1/12(金) 16:00 イギリス 11月貿易収支
1/12(金) 16:45 フランス 12月消費者物価指数(CPI、改定値)
一言コメント
本年も宜しくお願い致します。24年の干支は甲辰(きのえたつ)。意味は「これまでの努力が実を結び、一段と飛躍して、さらなる成長が期待できる」とのことで、投資家にはピッタリの年ですね。
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