主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年1月4日8時50分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼3日(水)の為替相場
(1):独失業率は予想通り
(2):リッチモンド連銀総裁「追加利上げの可能性はある」
(3):米求人件数 3カ月連続減少
(4):FOMC議事録公表
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米雇用統計を控え値動きが鈍りそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
3日(水)の為替相場
期間:3日(水)午前7時10分~4日(木)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):独失業率は予想通り
独12月失業率は5.9%と予想通りで、同失業者数は前月比0.50万人増と予想(2.00万人増)を下回った。
(2):リッチモンド連銀総裁「追加利上げの可能性はある」
今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を得たリッチモンド連銀のバーキン総裁は「ソフトランディング(経済の軟着陸)の可能性は高まりつつあるが必然ではない」として「追加利上げの可能性は依然として選択肢にある」と発言した。
(3):米11月求人件数 3カ月連続減少
米12月ISM製造業景況指数は47.4と市場予想(47.1)をやや上回った。構成項目の新規受注指数と仕入価格指数が前月から低下した一方、雇用指数は上昇した。同時に発表された米11月JOLT求人件数は879.0万件と市場予想(882.1万件)を下回り、3カ月連続で減少。2021年3月以来の低水準となった。
(4):FOMC議事録公表
12月のFOMC議事録で、当局者は「政策金利がピークかそれに近い可能性が高い」と認識していることが明らかになった。「成長率が鈍化し、労働市場のリバランスが2024年も継続する」との見方も示された。一方で、「金利が想定より長くピーク水準で維持される可能性もある」との見解が示され、「当局者は2024年末までの利下げ予測を認識」としつつも具体的な利下げの時期については触れなかった。
3日(水)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:米雇用統計を控え値動きが鈍りそう
昨日のドル/円は一時143円台後半へと続伸。終値ベースで約0.9%上昇した。1日に発生した能登半島地震の影響で日銀が大規模金融緩和を当分維持するとの思惑から円売りが継続。米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ観測は行き過ぎとの見方からドルを買い戻す動きも出た。今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を得たリッチモンド連銀のバーキン総裁は「追加利上げの可能性は依然としてある」と発言。12月のFOMC議事録では、金利が想定以上に高水準に維持される可能性もあるとの認識が示された。ドル/円はこれらを受けて143.74円前後まで上昇。もっとも、その後は上げ幅を縮小し143.30円前後で取引を終えた。143.10円台を通る200日移動平均線を回復したほか、12月の下落に対する38.2%戻し(143.34円前後)を達成したことなどから、ショートカバー主導の戻りは概ね一巡したと見る。
明日5日に米12月雇用統計を控えていることもあって本日は値動きがやや鈍りそうだ。なお、本日のNY市場では米12月雇用統計の前哨戦として米12月ADP全国雇用者数が発表される。
注目の経済指標:ADP雇用統計
注目のイベント:特になし
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※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
経済指標・イベントの結果について
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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