ドル円 米早期利下げ観測拡大で急落
今週初めのドル円は先週末の好調な米雇用統計を受けて買い戻しの動きも出る中、144円台後半でスタートしました。
11日(月)には「日銀はマイナス金利やイールドカーブコントロール(YCC)の撤廃などを今月急ぐ必要はほとんどないとの認識である」との報道が伝わりました。
これを受けて来週の金融政策決定会合で日銀が金融緩和策の修正を行うとの観測が後退し、円を売る動きが強まってドル円は146円台半ばまで上昇しました。
12日(火)には再びドル売り円買いの動きが強まり、米11月消費者物価指数(CPI)が発表されると、予想通りに前月比で伸びが鈍化との結果を受けてドル円は一時144円台後半へと下値を広げました。
その後買い戻しの動きが出て13日(水)午後には145円台後半まで持ち直しましたが、14日(木)未明に米FOMCで利上げが見送られ、政策金利の見通しは来年に少なくとも3回の利下げが想定される内容となったことが伝わると、ドル円は143円を割り込んで急落しました。
その後もドル売りが続き、14日(木)昼過ぎには7月末以来およそ4カ月半ぶりの安値となる140.96円前後まで続落しました。
同日夜に発表された米11月小売売上高や米新規失業保険申請件数が予想よりも強い結果となったことでドル買いの動きが出て、15日(金)朝には142円台を回復しましたが、米早期利下げ観測が広がる中で上値の重さが続きました。
今週のドル円は米FOMCを経て4カ月半ぶりの安値まで大きく下落する展開となりました。
FOMCでは3会合連続となる金利据え置きが決定され、来年少なくとも3回の利下げが行われることが示唆されて早期利下げ観測が強まりました。
来週は日銀の金融政策決定会合が予定されており、会合の結果や植田総裁の会見に注目が集まります。
米利下げ観測が強まる中、日銀が金融緩和策の修正に向けて舵を切る姿勢を示した場合は日米の金利差縮小を意識したドル売り円買いが強まることが予想され、ドル円の下落リスクに警戒が広がっています。
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