今週のNY市場はFOMCや物価指標に注目。先週はナスダック総合が0.69%高、S&P500が0.21%高となり、ダウ平均も0.01%高とわずかながらプラス圏で終了し、3指数がそろって6週続伸した。S&P500は金曜日に取引時間中の年初来高値を更新し、2022年3月以来の高値を付けた。年初来ではダウ平均が9.35%高、S&P500が19.92%高、ナスダック総合が37.62%高となった。前週まで5週続伸したことで高値警戒感が強まったものの、最新の人工知能(AI)モデルを発表したアルファベットが上昇し、ハイテク株の上昇をけん引したほか、11月雇用統計や12月ミシガン大期待インフレ率速報値の結果を受けて適温相場の持続期待が高まったことも株価を支えた。
今週は金融政策の見通しを巡り水曜日に結果が公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目が集まるほか、火曜日の11月消費者物価指数(CPI)、水曜日の11月生産者物価指数(PPI)などの物価指標が焦点となりそうだ。FOMCでは3会合連続で政策金利の据え置きが確実視されているが、市場では来年の早期利下げ転換期待が高まっており、金融政策の見通しを巡り公表されるFF金利見通し(ドットプロット)やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見が注目される。CMEのフェド・ウォッチが示す来年3月FOMCでの利下げ確率は45%に上昇しており、FOMCや物価指標が利下げ見通しを支持する結果となれば年末ラリーの追い風となりそうだ。このほかの経済指標は新規失業保険申請件数、11月小売売上高(以上木曜日)、12月NY連銀製造業業況指数 (金曜日)など。企業決算はオラクル、アドビ、コストコ、レナー、ダーデン・レストランツなどが発表予定。
今晩の米経済指標・イベントは11月雇用傾向指数など。企業決算は引け後にオラクルなどが発表予定。(執筆:12月11日、14:00)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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