本日のニューヨーク為替市場でドル円はかなり神経質な動きとなりそうだ。本邦通貨当局による円買い介入への警戒感が高まりつつあるなか、欧州序盤には150円後半から150円割れまで急落。ただ直ぐ反発しており、こうした「介入もどき(なんちゃって介入)」の動きは今後も何度か見られるかもしれない。
本日はニューヨーク序盤から重要イベントが控える。米経済指標では、7-9月期の米国内総生産(GDP)や個人消費、そしてコアPCEの速報値が発表される。GDPや個人消費は予想4%台と前四半期を大きく上回り、コアPCEも2%台まで減速見込み。遅行指数ではあるが予想にほぼ沿った結果となれば、米経済への楽観論が再び浮上してきそうだ。他、9月米耐久財受注額や、前週分の米新規失業保険申請件数(予想:20.8万件)なども発表予定。
相場を難しくするかもしれないのが、欧州中央銀行(ECB)が政策金利を発表した後に予定されているラガルド総裁の定例記者会見。足もとのユーロ圏インフレ率は4.3%と21年10月以来の低水準まで減速し、利上げの効果は着実に出ている。しかしながらECB総裁は昨日も「インフレとの戦いはまだ終わっていない」と、政策スタンスに変更なしを示唆した。独Ifo経済研究所が言及した「24年後半に利下げに踏み切る可能性」について、ラガルドECB総裁が「時期尚早」以外の言葉を使ってくるかが1つの注目ポイントとなる。
なお、ニューヨーク午後には米財務省が7年債の入札を実施する。昨日は5年債入札が低調と受けとめられたことがきっかけで債券売りに拍車がかかった。本日も結果をどのように債券市場が判断するのか、注視する必要がありそうだ。
想定レンジ上限
・ドル円、ピボット・ターニングポイント150.95円から節目151.00円が目先の抵抗帯。その上の目標値は22年10月21日高値151.95円が
想定レンジ下限
・ドル円、ピボット・サポート149.91円が下値めど。その下は日足一目均衡表・転換線149.58円。
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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