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来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「新総裁を迎え初めてのRBA理事会!政策変更はある?」ハロンズ FX 2023/10/1

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執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
X(Twitter):@gaitamesk_naka
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目次

新総裁を迎え初めてのRBA理事会!政策変更はある?

先週の振り返り

先週の豪ドル/円は95.52円前後、NZドル/円は88.34円前後で週初を迎えました。前週に日銀が大規模な金融緩和の継続を発表し、また一部で警戒されていたマイナス金利の早期撤廃に関する具体的な手掛かりを示さなかったことから、週初から円が売られやすい状態が続きました。その中で、市場では政府・日銀による円買い介入が警戒されて円安のスピードが緩む場面がありました。他方で、米国に目を移すと、9月20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で年内あと1回の利上げの可能性が示唆されたことや、長期的に金利が高止まりするとの懸念が台頭したことで米ドルが全般的に買われました。その結果、クロス円である豪ドル/円、NZドル/円は米ドル/円の上昇と豪ドル/米ドル、NZドル/米ドルの下落、双方の影響から方向感が見出しにくい一週間となりました(執筆時)。

RBAの政策判断は?

来週は10月3日(火)にRBA理事会(金融政策会合)が開催されます。今回の注目事項は何なのか見ていきたいと思います。
まず、政策金利について、RBAが重視する経済指標を振り返ってみます。9月14日に発表された豪8月雇用統計は以下のようになりました。

【豪8月雇用統計予想と結果】

雇用者数は+6.49万人と大幅に増加しました。7月の結果は0.14万人減少に上方修正(速報値は1.46万人減少だった)されています。また労働参加率は67.0%まで上昇し過去最高の数字を記録しました。豪州の労働市場は引き続きひっ迫した状態と考えられます。RBAは8月の理事会の議事要旨で「労働市場が転換点にある可能性がある」との見立てを示しましたが、9月のRBA議事要旨からは同文言が削除され、代わりに「労働市場は依然ひっ迫しているが、状況は緩和しつつある」にトーンダウンしていました。ただし、労働市場のひっ迫が緩和することがRBAの目標ではありません。今回のRBAの政策決定に豪8月雇用統計の結果はほとんど影響を及ぼさないでしょう。
では、RBAが現在最も気にしていることは何でしょうか?それはインフレを目標レンジ内(2~3%)に戻すことです。9月27日に発表された豪8月月次消費者物価指数(CPI)は前年比+5.2%となり前月の+4.9%から反発しました。しかしこの反発は市場の予想した通りでした。またこの月次CPIの反発はエネルギー価格の上昇に由来するものが多かったです。8月4日に公表された金融政策報告書の中でも「エネルギー価格は来年にかけてインフレ圧力を大幅に高めると予想される」と示されていましたので、エネルギー価格の上昇を原因とするインフレの再加速はRBAの想定内のことです。豪州の月次CPIから価格変動の大きい野菜、果物、自動車燃料と休暇旅行(航空運賃、ホテル代など)を除外した数値は+5.5%で前月の+5.8%から低下を示していました。これらの予測や結果からRBAが今回も政策金利を据え置くとの予想が市場では大勢となっています。

【豪月次CPI推移】

RBAの注目点は?

RBAは9月18日にミッシェル・ブロック氏が新総裁に就任し、今回が新総裁の下での初めての理事会となるため、市場はロウ前RBA総裁からRBAの政策スタンスに変化が見られるか注目しています。ブロック新総裁は就任後にRBAのホームページ上で動画を公開し、「インフレを2~3%(RBAの目標)で低く安定させたい」と語っています。同時に「インフレ目標を達成するにあたり、可能な限り雇用水準を高く維持したい」とも語っています。この内容を見る限りではブロック新総裁の政策スタンスはロウ前総裁のそれと大きく違わないと予想されます。そのため、市場はフォワードガイダンスなどからRBAの変化を探すことになりそうです。変化がほとんどなかった場合には、豪ドル相場に与える影響は小さくなりそうです。

RBNZの注目は?

10月4日にはNZ準備銀行(RBNZ)が金融政策会合を開催します。市場ではRBNZは今回の会合では金利を据え置くものの、年内にあと1回の利上げの可能性があると予想しています。そのため、RBNZもRBA同様にフォワードガイダンスが注目となります。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は7月後半から上値を抑えていた96円前後の壁を明確に上抜けました。今週は下落する場面も見られましたが、8月半ばから始まった上昇トレンドは継続しているとみています。目先の下値目途は一目均衡表の基準線や雲下限となりそうです。一方上値は7月5日高値の96.83円前後が目先のレジスタンスとなります。その上の水準では6月19日高値の97.68円前後が意識されそうです。

【豪ドル/円 日足・一目均衡表】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:94.00-97.50、NZD/JPY:87.50-92.00

10/2 週のイベント:

10/02 (月) 06:45 NZ 8月住宅建設許可件数
10/03 (火) 09:30 豪 8月住宅建設許可件数
10/03 (火) 12:30 豪 豪準備銀行(RBA)、政策金利発表
10/04 (水) 10:00 NZ ニュージーランド準備銀行(RBNZ)政策金利
10/05 (木) 09:30 豪 8月貿易収支

一言コメント:

10月2日からニッポン放送の『飯田浩司のOK! Cozy up!』(月~金曜6時から生放送)、『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』(月~木曜15時30分から生放送)という2つの番組で「マーケットインフォメーション」という新コーナーが始まります。このコーナーに外為どっとコム総研から、神田部長(X(Twitter):@KandaTakuya )宇栄原研究員(X(Twitter):@gaitamesk_ueha)と私が出演することになりました。皆さん是非ラジオでニッポン放送を聞いてください!

nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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