◆豪ドル、ブロックRBA新総裁の初会合で政策の変化に注目
◆RBA、インフレリスクが過小評価されているとの声も
◆ZAR、中期予算までZAR買いは進めづらい
予想レンジ
豪ドル円 92.00-97.00円
南ア・ランド円 7.50-8.00円
10月2日週の展望
豪ドルは神経質な展開となりそうだ。来週最大の注目材料は10月3日に開催される豪準備銀行(RBA)理事会。RBAでは今月からブロック新総裁が就任しており、今回はブロック体制下で初の理事会となる。ブロック総裁はロウ前総裁のもとで副総裁を務めていたこともあって政策方針の大きな変更はないと思われる。市場予想も4.10%での金利据え置きとなっている。政策金利についての波乱はなさそうだ。
注意するべきは声明文の内容だろう。ブロック新総裁が自身の色をどの程度出してくるか確認する必要があるほか、足もとで再加速の兆しが見えるインフレ動向に対する見方も注目される。今週発表された8月消費者物価指数(CPI)は前年比5.2%の上昇となり、前月の4.9%上昇から伸びが加速した。原油価格の上昇などもあってインフレリスクが高まっており、一部市場では「RBAはインフレリスクを過小評価している」との指摘も聞かれている。声明文でインフレ警戒姿勢が強まることになれば豪金利先高観が再び高まり、豪ドル相場の下支え要因となる可能性もありそうだ。なお、来週は10月3日に8月住宅建設許可件数、10月5日に8月貿易収支の公表が予定されている。
隣国NZでも10月4日にNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策公表が控えており、注目を集めることになりそうだ。政策金利は5.50%での据え置きが予想されており、こちらもRBA同様に波乱はないだろう。ただ、前回の会合(8月16日)では「政策金利を想定よりも長く制約的な水準で維持する必要がある」との認識を示したほか、利下げ開始の予想時期を2025年に先延ばししている。今回の会合でもさらに利下げ開始時期の調整が入るか確認しておきたい。
南アフリカ・ランド(ZAR)は伸び悩む展開となりそうだ。来週は南アフリカから特段の経済指標・イベントなどが予定されておらず、今週と同じく外部要因に振らされる動きとなるだろう。為替市場全般で米長期金利の上昇を手掛かりにしたドル買い相場が続いており、相場の方向性に大きな変化が見られなければZARも対ドルを中心に伸び悩む可能性が高い。また、市場では「南ア財政の健全性に対する懸念などを考慮すると、11月1日に予定されている中期予算までZARの上値余地は限られるだろう」との見方も広がっている。
9月25日週の回顧
豪ドルは週明けから米金利の上昇を背景にしたドル買いが目立つなか、対ドルを中心に売りが先行。対円でもつれ安となった。もっとも、28日にはさえない米経済指標の発表が相次いだことで米金利の上昇とドル買いが一服。株価も反発したため豪ドル円でも買い戻しが進んだ。
ZARも対ドル中心に売り先行の展開となり、ZAR円も上値の重さが目立った。前週末には南アフリカ準備銀行(SARB)のタカ派的な金融政策公表後にZAR買いが進む場面もあったが、今週に入るとZAR買いの勢いも後退している。(了)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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