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【見通し】株式明日の戦略-後場一段安で3桁の下落、市場は日銀リスクを強く意識

11日の日経平均は3日続落。終値は139円安の32467円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり822/値下がり944。三井住友が5.3%高、みずほFGが4.4%高、三菱UFJが4.3%高とメガバンク3行が大幅上昇。池田泉州、山梨中央、富山第一、千葉興業など地銀株がプライムの値上がり率上位に多くランクインした。アームIPOの引き合いが強いことが伝わったソフトバンクGが4%近い上昇。3Q累計では最終赤字となったものの、直近3カ月の業績が改善したくら寿司が買いを集めた。オムロンによるTOBに賛同の意を示したJMDCが一時ストップ高となるなど急騰。TOBに応募することを公表したノーリツ鋼機にも強い買いが入った。

 一方、レーザーテック、アドバンテスト、東京エレクトロン、ルネサス、ディスコなど半導体株が軒並み大幅安。三井不動産、三菱地所、住友不動産、野村不動産など大手デベロッパーも軒並み値幅を伴って下落した。リクルートやエムスリーなどサービス系のグロース株も軟調。三菱重工や川崎汽船などバリュー系の銘柄にも強めに売られるものが散見された。3Q決算が市場の期待に届かなかったクミアイ化学が7.8%安。1Qが営業赤字となったgumiがストップ安まで売り込まれた。

 日経平均は3日続落。高く始まっており、米国株の上昇自体は好感されたが、それ以上に日銀に対する警戒が強まった。139円安(32467円)というのはリスクオフではない。ただ、金融株しか買えないような雰囲気が出てきてしまったことはネガティブ。

 今週は米国のCPIやPPIが注目の指標となるが、足元の米国の物価指標は市場予想を下回ることが多く、米国の長期金利が低下すればグロース株が見直されるとの期待も強かった。実際そうなるかもしれないが、翌週にはFOMC(9/19~20)だけでなく日銀会合(9/21~22)も開催される。きょう国内金利の上昇を受けて弱かった銘柄群は、切り返しても日銀会合を通過するまでは戻り売りに押されやすくなるだろう。日銀会合まではまだ日にちがある上に、来週は月曜18日が休場(敬老の日)となり、市場の空白が先行き不透明感を高める。0.7%台に乗せた10年債利回りが上昇基調を強めた場合には、短期的にリスク回避姿勢が強まる可能性があり注意したい。


・提供 DZHフィナンシャルリサーチ