目次
▼最新のドル円相場は…日銀による臨時の国債買い入れオペにより円安加速
▼ドル円相場をテクニカル分析で確認…上昇基調は継続！144円突破でさらに円安加速も
▼ターニングポイント…来週も日銀が動けば145円突破の可能性も…今が買いどき？
▼来週のイベント
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最新のドル円相場は…日銀による臨時の国債買い入れオペにより円安加速
今週のドル/円は、7月7日以来の高値を更新する展開。先週7月28日に日銀がイールドカーブ・コントロール（YCC）の柔軟化を決定したことで本邦長期金利（10年債利回り）の許容変動幅について±0.5％を目途としつつ指値オペの水準を従来の0.5％から1.0％に引き上げました。そうしたことで、長期金利が9年ぶりに0.6％台へ上昇。日銀は臨時の国債買い入れオペを通告し利回りの急上昇を容認しない姿勢を示すと円売りが強まりました。ドル/円はその日、140円台から142.68円前後まで上伸しました。一時は急速な上昇を抑えられた長期金利ですが、再び上昇すると8月3日には0.65％を突破。日銀は臨時の国債買い入れオペを通告し円安がさらに加速すると一時143.89円前後まで上値を拡大しました。その後は、3日早朝に大手格付け会社フィッチ・レーティングスが米国の外貨建て長期債格付けを最高位の「AAA」から「AA+」に引き下げたことに対するリスク警戒から日欧米の株安に繋がり円買いに傾きました。ドル/円は142円台で方向感を模索しています。
ドル円相場をテクニカル分析で確認…上昇基調は継続！144円突破でさらに円安加速も
ドル/円の週足チャートを見ると13・26・52週移動平均線が上向きを維持しており、RSIが50ライン上で上向きとなっていることから上昇基調が継続しています。来週は13週線が下値支持となる中で昨年高値を起点にした下降トレンドライン（143.96円前後）を明確に突破すれば145円が視野に入るでしょう。また昨年高値から今年の安値への下げ幅に対する61.8％戻し142.50円を上回った状態で越週すれば強気な相場展開がより見込めます。一方、下値については心理的節目の140.00円が意識されそうです。割り込んだ場合は52週線が位置する137円台に向けて下落バイアスが強まる可能性もあります。ただし、昨年3月を起点とした上昇トレンドラインを下抜けるまでは上昇基調は継続すると見ています。
ターニングポイント…来週も日銀が動けば145円突破の可能性も…今が買いどき？
今週、ドル/円が140円台から143.89円前後まで上値を伸ばすきっかけとなったのは日銀は臨時の国債買い入れオペです。一時的に長期金利の上昇を抑えたもののすぐに値を戻している状況です。こうした動きは来週も警戒する必要があり、再び国債買い入れオペを通告があるとさらに円安が加速して145円を突破する可能性も考えられます。トレードで重要なことは、トレードタイミングを待つことです。今が買い場と判断してもトレード環境が整っていなければチャンスを逃してしまいます。チャンスは自ら捕まえに行くものと意識して準備を行っておきましょう。
来週の重要イベント
8/7◎日銀金融政策決定会合における主な意見
8/7◎ボウマンFRB理事講演
8/8◎日本6月経常収支/貿易収支
8/8◎中国7月貿易収支
8/8◎米6月貿易収支
8/9☆中国7月消費者物価指数
8/9◎中国7月生産者物価指数
8/8◎ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁講演
8/9◎メキシコ7月消費者物価指数
8/10☆米7月消費者物価指数
8/10☆米新規失業保険申請件数
8/10☆メキシコ中銀政策金利
8/11◎英6月GDP
8/11☆英4-6月期GDP・速報値
8/11◎英6月鉱工業生産
8/11◎米7月生産者物価指数
8/11◎米8月ミシガン大消費者態度指数・速報値
☆特に重要 ◎重要
※☆は特に注目の材料
外為どっとコム総合研究所の研究員、宇栄原 宗平（うえはら・しゅうへい）が、FX初心者の方にも分かりやすいよう、予想の値動きを示し、FX為替予想を行います。
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員宇栄原 宗平（うえはら・しゅうへい）
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月（株）外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか！』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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