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南アフリカランド 月間為替予想「ランド一人負け、忍耐の時期が続きそう」FXレポート 2023年6月

南アフリカランド相場見通し

目次

▼南ア国内要因でランド安が進行
▼ランド弱地合は早期改善の期待薄

南ア国内要因でランド安が進行

南アフリカ・ランドの対ドル相場は、グローバルな為替市場におけるリスクセンチメント、そしてそれを大局的に反映して変動する安全通貨であるドルの名目実効為替レートと連動性が高い(第1図)。

第1図:南アフリカ・ランド対ドル相場とドル名目実効為替レート南アフリカ・ランド対ドル相場とドル名目実効為替レート(資料)Bloomberg

この点、年初からのドルの上値の重い推移にも拘らず、そのドルに対するランドの軟調地合いが目立ちつつあり、異例とも言える推移となっている。国営電力会社の問題経営による慢性的な電力不足の経済への悪影響が深刻になり始めるなど、南アフリカ独自の悪材料がランドの嫌気材料になっているとみられる。そうした中、5月上旬には、南アフリカからロシアに秘密裡に武器が供給されていたとの疑惑による対米関係悪化への懸念も加わり、一時国外への資本流出圧力が強まった。南アフリカ国債金利が急上昇し、対米金利差が拡大(=本来ランドに有利な方向)する中で、ランドは対ドルで急落(第2図)。2020年4月につけた史上最安値を更新して1ドル=19.50近辺まで下落した。

第2図:南アランド対ドル相場と米・南ア10年金利差南アランド対ドル相場と米・南ア10年金利差(資料)Bloomberg

ランド弱地合は早期改善の期待薄

その後独立した判事による調査が発表されるなど、懸念は幾分緩和したが、依然として南アフリカ経済のファンダメンタルズを背景としたランドの基本的な地合いの悪さの改善はすぐには期待し難く、本稿執筆時点でも最安値近辺で推移中だ。年初から上値重く推移して来たドルも、依然底堅い米個人消費の動向など受けた利上げ継続期待や、散発的に燻る米地銀の経営不安などを受けた市場のリスク回避的な地合いの一部揺り戻しもあり、5月以降下げ止まりから反発を窺う動きもみられている。こうした動きが強まり、ランドの脆弱性に改めて焦点が当たるリスクには引き続き警戒が必要だ。

(国際通貨研究所 上席研究員 橋本 将司 氏)

【南アフリカランド/円 日足】ZAR/JPY 日足

南アフリカランド 特設サイト:
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店頭FX(外国為替保証金取引)における新興国通貨取引のリスクについて
当社取扱通貨のうち、いわゆる新興国通貨に分類されるトルコリラ・南アフリカランドおよびメキシコペソ(MXN)はインターバンク(銀行間為替市場)における流動性が主要国通貨に比べ相対的に低く、経済指標発表のみならず金融政策変更やその他政治的要因、さらには地政学的リスク等の要因による突発的な相場急変動が起こりやすい環境下にございます。また、こうした急変動時には実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ大幅に拡大する傾向にあり、その場合には当社でもやむなく提示スプレッドを一時的に拡大することがございます。あわせて、相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更する場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。これら新興国通貨のお取引、およびこれらを対象とするキャンペーンへのご参加に際しては、以上につきあらかじめご留意のうえ、ポジション保有時、特に法人会員様の高レバレッジ取引における口座管理には十分ご注意くださいますようお願い申し上げます。以上の新興国通貨それぞれのリスク、および直近時点でのリスクレポートにつきましては、こちらのページをご参照願います。
新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。
 
橋本 将司氏 公益財団法人 国際通貨研究所 経済調査部 上席研究員
橋本 将司(はしもと・まさし)氏
慶應義塾大学卒業後、三菱UFJ銀行に入行。国際通貨研究所研究員、グローバルマーケットリサーチ・シニアアナリスト、経済調査室ニューヨーク駐在などを歴任し、グローバルな為替市場やマクロ経済に加え、米国金融業界や金融規制など幅広い分野の調査業務に従事。現在国際通貨研究所において、為替市場や主要国の金融政策・マクロ経済動向の分析を担当。理論的な観点からの為替市場分析を得意とする。
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