ドル/円、円安再加速で140円を突破! 米債務上限問題は3連休前に合意に達する可能性
本日、東京市場のドル/円は弱含みの展開。年初来高値を更新した達成感による利益確定売りや、週末を控えた持ち高調整の売りが優勢となりました。140円台を割り込み、139.60円台まで反落する場面もありました。欧州市場でも調整売りが続き、一時139.50円前後まで下値を拡大しました。また、その後の戻りも限定的で小幅な値動きとなっています。
今夜は、米4月個人消費支出(PCE)デフレーターが発表されます。市場予想は前月比+0.3%、前年比+4.3%となっており、前回(+0.1%、+4.2%)から伸びが加速すると見られています。米連邦準備制度理事会(FRB)が注目する指標とあって、予想を上回れば6月会合での追加利上げ期待が高まりそうです。そのほか、米債務上限問題についての協議が本日中にも合意に達するとの期待が浮上しています。そうした中で、ドル/円が140円台を回復してさらに上値を伸ばせるか注目です。なお、米国は来週29日が祝日のため本日は3連休前です。週末の持ち高調整による反落にも注意が必要でしょう。
ドル円の見通しをテクニカル分析で行いましょう。 10・20・80日移動平均線が上向きを維持しつつ乖離幅を拡大する中で、140円台を突破する動きを見せるなど上昇基調が強まっています。足元では、調整売りが強まり反落していますが、今年安値(127.22円)から昨年高値(151.94円)の半値戻しの水準(139.58円)がサポートとして意識されています。同水準から反発し再び140円台を回復する動きを見せる可能性も考えられます。
ドル/円
この後の経済イベント
5/26(金)
21:30 米4月個人所得
21:30☆米4月個人消費支出
21:30☆米4月PCEデフレーター
21:30 米4月卸売在庫
21:30 米4月耐久財受注額
23:00 米5月ミシガン大消費者態度指数・確報値
※☆は特に注目の材料
今日の注目トピック
足元では円安が再加速しており、ドル/円相場は2022年11月23日以来の140円台まで上伸しました。今朝、鈴木財務相は「為替相場は市場でファンダメンタルズに基づき決まる」「今後とも市場動向をしっかり見ていく」と述べました。市場では再び『為替介入』について囁かれるようになってきました。政府は「急速な円安の進行は経済にとって好ましくない」として、昨年9月22日、10月21日、10月24日(ドル/円高値:145.90円、151.94円、149.69円)に円買い介入を実施しています。昨年と比べると円安スピードは急速ではないため今すぐに為替介入が入ることは考えにくいですが、実際に介入が実施された145円台に到達した場合は、介入への警戒感が強まってきそうです。
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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