シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読
み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットショートほぼ横ばい】
5月2日時点で円のポジションは、ドルに対して6.8万枚の売り越し(ネットショート)。
ロング、ショートともに積み増しとなったことから、ネットショートは前週からほぼ横ばいとなった。
期間中のドル/円相場は、米地銀の経営不安を受けて一時133.02円前後まで下落するも、植田日銀総裁の就任後初となる金融政策決定会合で大規模金融緩和を継続したことから137.77円前後まで急上昇した。
円売り、円買い双方の材料が出たことで、投機筋のポジションはいずれにも傾きにくかったようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング増加】
5月2日時点でユーロのポジションは、ドルに対して17.3万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが小幅に積み増された影響で、ネットロングは前週から約0.4万枚増加。
期間中のユーロ/ドル相場は、米地銀の経営不安を受けたリスク回避のドル買いが持ち込まれたことなどから1.09420ドル前後まで下落した。
一方で、欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続への思惑は根強く、ユーロの下値を拾う投資筋もいたようだ。
ポンド/ドル
IMMポジション ポンド/ドル
ポイント
【ポンドネットロング減少】
5月2日時点でポンドのポジションは、ドルに対して0.1万枚の買い越し(ネットロング)。
ショートが積み増されたことでネットロングは前週から約0.5万枚減少。
期間中のポンド/ドル相場は、約11カ月振りとなる1.25835ドル前後まで上昇も、5月の米連邦準備制度理事会(FOMC)での利上げ期待が高まり反落。
過去一カ月上値を抑えられた1.25ドル台を超えられなかったことで、投機家はポンド買いポジションを減らしたようだ。
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IMMポジション
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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