オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
目次
- ▼今日の豪ドル トレードシナリオ
- 昨日から現在までの相場
- 今日のメインシナリオは
- この先の個別相場変動
- 豪ドル/円 最新チャート分析
- 今後の注目経済指標・イベント
- 「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
今日の豪ドル トレードシナリオ
昨日から現在までの相場
・NY原油先物市場は続伸。米金融システム不安がやや後退したことで買い戻し優勢となった。終値は前日比+2.02ドルの1バレル=76.78ドル(4月28日)。
・4月26日に発表された豪1-3月期消費者物価指数(CPI)は前年比+7.0%となり、前四半期(7.8%)からインフレは鈍化した。また同時に発表された3月月次CPIは前年比+6.3%となった。
・豪3月雇用統計が発表され、雇用者数は市場予想(2万人増)を上回る5.30万人の増加だった。失業率は3.5%、労働参加率は66.7%となった(4月13日)。
・4月4日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利を3.60%で据え置きとした。声明は前月から比べるとハト派的な印象となった。
今日のメインシナリオは
米中の景気減速懸念が豪ドルの上値を抑える
金曜日(28日)は植田総裁の下で初となる日銀金融政策決定会合が開催された。金融政策は大方の予想通り現状維持となった。しかし、イールドカーブコントロール(YCC)の修正、撤廃期待が一部で残っていたことや、植田総裁の発言がハト派的と受け止められて円全面安の流れとなった。この結果、豪ドル/円は88円台半ばから90円台まで急上昇している。
本日はメーデーで中国や欧州圏、英国などが休場となっている。また本邦勢もゴールデンウィークの中日のため、積極的な取引は控えられそうだ。
豪ドルは明日にRBA理事会が開催される。そのため、豪ドル相場はRBA待ちの状態となっている。昨日発表された、中国4月製造業購買担当者景気指数(PMI)が予想を下振れ、且つ好不況の境目と言われる50.0を下回った。米国ではファースト・リパブリック銀行を巡る金融システム不安が残っている。
本日のNY時間には米4月ISM製造業景況指数の発表が控えている。このところ、米国の製造業関連の経済指標は景気悪化を示す結果が多いことから、ISM製造業景況指数の下振れには警戒したい。中国や米国の景気減速懸念が豪ドルの上値を抑える要因となりそうだ。
この先の個別相場変動
■米ISM製造業景況指数が予想を下回る
⇒米国の景気悪化懸念が高まる
⇒豪ドルはリスクセンチメントに敏感
⇒豪ドル/円の下落
豪ドル円 最新チャート分析
今後の注目経済指標・イベント
米4月ISM製造業景況指数
米株価動向
「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は雨、豪ドル/米ドルは晴れ。29日の午前3時に豪ドル/米ドルの移動平均で買いシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>
- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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