主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年3月2日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼1日(水)の為替相場
(1):豪GDP、豪CPI鈍化
(2):中国PMI、高水準を記録
(3):ベイリーBOE総裁、発言
(4):独CPI、予想を上回る
(5):米10年債利回り、一時4%台へ上昇
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:本日も底堅い推移が見込まれる/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
1日(水)の為替相場
期間:1日(水)午前7時10分~2日(木)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪GDP、豪CPI鈍化
豪10-12月期国内総生産(GDP)は前期比+0.5%と予想(+0.8%)に反して7-9月期(+0.7%)から減速。同時に発表された豪1月消費者物価指数(CPI)は前年比+7.4%と予想(+8.1%)を大幅に下回り前月(+8.4%)から鈍化した。これらを受け、豪ドル売りが優勢となった。
(2):中国PMI、高水準を記録
中国2月製造業PMIは52.6と予想(50.6)を上回り、2012年4月以来の高水準を記録。直後に発表された、同財新製造業PMIも51.6と予想(50.7)を上回り2022年6月以来の水準に上昇した。豪GDPと豪CPIを受けて下落していた豪ドル/円は、中国の景気回復期待が高まり反発した。
(3):ベイリーBOE総裁、発言
ベイリー英中銀(BOE)総裁は「経済は予想したとおりに進んでいる」としながらも「利上げが適切であることが判明するかもしれないが、何も決定していない」と発言。これを受け、ポンド売りが優勢となった。
(4):独CPI、予想を上回る
独2月CPI・速報値は前年比+8.7%と予想(+8.5%)を上回り、前月と同水準となった。また、欧州連合(EU)基準の2月CPIは前年比+9.3%と予想(+9.0%)を上回り、前月(+9.2%)から伸びが加速した。
(5):米10年債利回り、一時4%台へ上昇
米2月ISM製造業景況指数は47.7と予想(48.0)を下回ったが前月(47.4)から上昇。内訳の構成指数で新規受注が47.0に上昇したほか仕入れ価格が51.3に急上昇したことから、インフレを巡る懸念が高まり米長期金利が上昇するとドル/円は136.32円前後まで反発した。なお、この日米10年債利回りは2022年11月10日以来となる4.00%台まで一時上昇した。
1日(水)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:本日も底堅い推移が見込まれる
昨日のドル/円は一昨日に続いてほぼ横ばいの136.20円台で終了。ユーロや中国人民元の急伸でドルが下落した影響から135円台前半まで軟化したが、米10年債利回りが一時約4カ月ぶりに節目の4.0%を超えて上昇すると136円台を回復した。注目された米2月ISM製造業景況指数は、47.7と予想(48.0)には届かなかったが前月の47.4から上昇。内訳の仕入れ価格の指数が急上昇したためインフレを巡る懸念が高まった。
米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの観測が一層強まる中、ドル/円は本日も底堅い推移が見込まれる。上値のチャートポイントは2月28日高値の136.92円前後と200日移動平均線が通る137.27円前後。このため、節目の137.00円を意識した展開となる可能性もありそうだ。下値のメドは、日足一目均衡表の転換線135.42円前後と雲上限134.74前後だろう。
注目の経済指標:ユーロ圏消費者物価指数
注目のイベント:ECB理事会議事録
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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