総括
FX「苦悩。ゼロコロナ政策と中国離れで景気減速、人民元は円より強く8位」人民元見通し
(通貨8位(9位)、株価14位(14位))
予想レンジ 人民元/円 18.6-19.1
(ポイント)
*今年の人民元は12通貨中8位
*景気減速はゼロコロナ政策もあり加速している
*ロシア離れほどではないが、世界の中国離れがある(ニアショアリング)
*今年の株価は弱い。長期国債利回りは低インフレのわりに高い
*11月の鉱工業生産と小売売上は減速
*3年振りに日本の外相が訪中か
*豪中外相会談が開催されている
*11月貿易収支は中国の景気減速を如実に表した
*11月消費者物価は1.6%
*11月製造業PMIなどが悪化
*人民元はバスケット制度を採用しているので大きな動きは抑制される
*対露貿易は拡大
*22年実質成長率、2.8%に下方修正 世界銀行
(今年は人民元は12通貨中8位。株安、長期金利は上昇)
人民元は年初来対円で4.81%高、対ドルでは9.81%安。対ドルで安定しているので、人民元円の動きはドル円と似通ってきた。12通貨中で8位。上海株指数は年初来15.7%安、ハンセン指数は18.11安。10年国債は2.89%で年初の2.77%より小幅上昇。日本よりインフレは低いが長期金利はかなり高い。
(景気減速)
いくら中国でも成熟期に入れば高度成長を続けることは出来ない。どの先進国もそうであった。景気減速は仕方ないものだが、そこにゼロコロナ政策が加わり景気は減速した。感染については西側と協力すれば違った結果になったが、大国のプライドもあり容易に西側のワクチン受け入れず混乱が続いている
さて11月の経済指標はまたもや減速した。11月の鉱工業生産は前年比2.2%増と、前月の5.0%増から伸びが鈍化した。予想の3.6増も下回った。新型コロナウイルス規制が活動を妨げ、需要と供給を抑制した。
11月の小売売上高は前年比5.9%減少。上海市で全面的なロックダウンが導入されていた5月以来の大幅な落ち込みとなった。予想は3.7%減、10月は0.5%減。
(景気減速の中で中央経済工作会議)
景気減速の中で中央経済工作会議が開催された。経済安定に集中し、主要目標を確実に達成するために政策調整を強化する方針を示した。また、疫病予防と経済の発展をよりよく調整する必要があるとの認識を示した。来年は積極的な財政政策と慎重な金融政策を実施すると表明。財政政策は必要な支出を維持しながら一段と効率的に強化され、金融政策は流動性を適度に確保しながら的確かつ強力に実施されるとした。疫病の予防と制御、および経済と社会の発展をよりよく調整する必要があるとした。
また、中国は需要の縮小や供給面での衝撃などの圧力に直面しているとの認識を示し、内需を拡大し、消費回復を優先させ、来年の主要経済目標を達成するための措置を講じると表明。住宅問題については、「住宅は住むためのものであり、投機のためのものではない」との原則を堅持すると改めて表明し、堅調な住宅需要の支援を確約した。
テクニカル分析(人民元/円)
急落後、ボリバン2σ内へ戻る
日足、12月2日-14日の上昇ラインを下抜きボリバン3σ下限まで急落。12月20日-12月20日の上昇ラインがサポート。12月20日-21日の下降ラインが上値抵抗。これを上抜いて今日は始まる。5日線、20日線下向き。
週足、雲中へ下落。1月24日週-12月19日週の上昇ラインがサポート。11月7日週-12月12日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、10月は長い上ヒゲを残し11月、12月の陰線へ続く。ボリバン2σ上限に達して下落。6月-8月、5月-11月の上昇ラインを下抜く。20年8月-21年9月の上昇ラインがサポート。10月-11月の下降ラインが上値抵抗。
年足、21年は大陽線。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜いて22年スタート、ここまで陽線。
チーファンラマ
11月中国の原油輸入、ロシア産がサウジ産上回る
11月の原油輸入はロシアからがパイプラインと海上輸送合わせて前年同月比17%
増の781万トンで、サウジからの662万トン(同11%減)を上回った。
G7による12月5日からのロシア産原油取引価格の上限設定でロシア産石油の輸出が制限されるのを懸念し、山東省の独立系精製業者らが、既にロシアが値頃にしていた原油を駆け込みで購入した。一部の国有精製企業は西側のロシア制裁に巻き込まれるのを懸念し、購入削減を始めていたが、全体では増加した。
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