総括
FX「弾劾回避も上昇しないランド、ANC党首選は接戦に」南アランド見通し
「通貨9位、株価5位」
「予想レンジ 南アランド7.4-7.9」
(ポイント)
*ANC党首選は接戦の模様
*大統領は弾劾裁判を回避、ANC党首選に臨む
*政策金利は来年1Qに政策金利を0.5%だけ引き上げて7.5%にする観測あり
*11月消費者物価は7.4%の低下(前月は7.6%)
*10月の小売売上高は前年同月比0.6%減少
*経済成長率の予想が今年2.1%、来年が1.2%に減速
*CPI予想は今年が平均で6.9%、来年が5.6%
*CPI目標は3-6%
*発電所を守るために国防軍を配備
*イエレン米財務長官が1月に南ア訪問
*3Q・GDPと経常収支が改善
*10月貿易収支は2020年4月以来、2年半ぶりの赤字
*財政の改善と経済指標の改善、タカ派的な中銀の金融政策がランドの支え
*南アの弱みは電力不足だが、日本や英国の強力で供給体制を立て直している
*格付けは好転の兆し
*エスコム社の格付見通し引き上げ
*中国のゼロコロナ政策緩和は南アに好影響
*南アへの直接投資と証券投資が減少
*石炭が見直され輸出商品へ
*ロシア産原油の輸入を計画している
(与党ANCの党首選は接戦か)
南アの与党アフリカ民族会議(ANC)の党大会が12月16日、ヨハネスブルクで開幕した。20日までの会期中、党首に当たる議長を選出する。直前に金銭スキャンダルで批判が強まったものの、現職のラマポーザ大統領の再任が有力視される。ただ、同氏を公然と批判するANC議員もおり、党大会は混乱も予想される。
南アでは国民議会(下院)の総選挙後に下院議員から大統領が選ばれるため、ANC議長は大統領の有力候補となる。次の総選挙は2024年に実施される。現在、議長選挙はラマポーザ氏とラマポーザ氏に解任されたムハイゼ元保健相での争いとなり接戦の模様
(ANC内部も混乱)
ラマポーザ大統領の「資金疑惑」に関する弾劾手続きを開始するか否かは214票対148票で否決された。大統領の農場で巨額の現金盗難を隠したという報告書は不十分なものとされた。
ANC党首選で再びラマポーザ大統領が党首として再任される可能性が高まってきたのは政策安定にも寄与する。ただ会議は荒れている。ANCの議員は大統領の周りに集結し、ほぼ統一戦線を提示したが、会議の雰囲気はそれほど寛容ではないように思われた。党大会でやじられ、ヨハネスブルグの代表団が大統領の演説中に「変えろ、変えろ」と叫び始めた。クワズールナタール州の代表団は、演説を続けようとした時に、反ラマポーサの歌を歌い始めた。南アは現在、高い失業率や不規則な電力供給など、多くの問題に直面しており、大統領は演説でいくつかの問題を認めた。汚職で起訴されたズマ前大統領がラマポーザ大統領に対して私訴を開始するという最近の行動は、党を団結させる努力を弱体化させる可能性がある.
(政策金利は)
南ア中銀が来年1Qに政策金利をあと0.5%だけ引き上げて7.5%するとの見方が強い。中銀は昨年11月以来、既に計3.5%利上げし、今年は直近で連続3回0.75%幅と積極的な利上げを行った。南アの消費者物価は7月に7.8%と13年ぶりの高い伸びになった後に減速。11月は7.4%(前月は7.6%)と、今後の利上げ幅が0.75%より縮小することを予期させるような鈍化になっている。
10月の小売売上高は前年同月比0.6%減少した。
南ア経済成長率の予想が今年2.1%、来年が慢性化する国内の停電も影響も背景に1.2%に減速するとされた。CPI予想は今年が平均で6.9%、来年が5.6%と中銀目標3-6%の中央値に近づいていくとの見通しになった。
(発電所へ国防軍)
南アフリカは発電所を守るために国防軍を配備した。電力の盗難、配電妨害を防ぐ
テクニカル分析(ランド/円)
弱い。ボリバン3σ下限から反発。中位には届かず
日足、ボリバン3σ下限から反発。中位には届かず。12月15日-16日の下降ラインが上値抵抗。12月13日-16日の上昇ラインがサポート。5日線、20日線下向き。
週足、雲の下、3σ下限にも一時達す。11月28日週-12月12日週の上昇ラインがサポート。12月5日週-12日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、8円割り込む。上ヒゲの長い月足が続き下落。21年11月-12月の上昇ラインがサポート。22年9月-10月の下降ラインが上値抵抗。雲の上。
年足、21年はかろうじて陽線。22年もここまで陽線。18年-21年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。
喜望峰
イエレン財務長官が南ア訪問
米財務省はイエレン財務長官が来年1月17-28日にセネガル、ザンビア、南アフリカを訪問すると発表した。
イエレン長官は、米国とアフリカの経済関係強化に向けたバイデン政権の取り組みをアピールし、アフリカ各国の国民に恩恵をもたらすようなより強力で弾力的な経済の構築に向けた方策を協議するという。
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