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南アフリカランド 11月相場見通し「底堅さを見せるランド相場!南ア国内の要因と市場の地合いには要注意」

南アフリカランド相場見通し

目次

▼ドル優位の流れが新興国通貨の重し
▼ランドは底堅さを見せるが潜在的な売り要因も見え隠れ

ドル優位の流れが新興国通貨の重し

南アフリカ・ランドの対ドル相場は、グローバルな為替市場におけるリスクセンチメント、そしてそれを大局的に反映して変動する安全通貨であるドルの名目実効為替レートと連動性が高い(第1図)。

南アフリカ・ランド対ドル相場とドル名目実効為替レート
第1図:南アフリカ・ランド対ドル相場とドル名目実効為替レート

米経済は、住宅市場など金利上昇の影響を受け易い分野では減速がみられているが、依然として労働市場は逼迫が続いており、賃金上昇がサービス価格などを押し上げて、インフレ率の沈静化に予想以上の時間を要するリスクが意識されている。これを受けて為替市場では、米FRBの急速な金融引き締めの影響によるリスク回避的な地合いを背景に、ドル上昇の流れが継続中。しかも米当局は、大幅なドル高に懸念を示しておらず、当面は金融引き締めによるインフレ抑制を最優先とする模様で、ランドを含む新興国通貨の対ドルでの下落基調が続きそうだ

ランドは底堅さを見せるが潜在的な売り要因も見え隠れ

こうした中、これまでのところ主な通貨の中で、ランドの下落圧力は特別強い訳ではなく、日銀の金融緩和政策継続が下落圧力となっている円に対しても、ランドはここ数ヵ月レンジ推移が続いている。南アフリカ経済は、構造的な電力不足や最近の主要港湾での労働者のストライキなどが懸念材料ではあるが、資源高も背景に、一定の底堅さを維持していることが主因の1つとみられる。もっとも、今後来年にかけては世界的な金融引き締めの影響がより顕在化することが予想される(第2図)。

南アフリカ準備銀行によるGDP成長率見通し
第2図:南アフリカ準備銀行によるGDP成長率見通し

市場のリスク回避地合いがさらに強まって行けば、ランドも対ドルのみならず、対円でも下落に転じるリスクがあろう

(国際通貨研究所 上席研究員 橋本 将司 氏)

【南アフリカランド/円 日足】

ZAR/JPY 日足

南アフリカランド 特設サイト:
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店頭FX(外国為替保証金取引)における新興国通貨取引のリスクについて
当社取扱通貨のうち、いわゆる新興国通貨に分類されるトルコリラ・南アフリカランドおよびメキシコペソ(MXN)はインターバンク(銀行間為替市場)における流動性が主要国通貨に比べ相対的に低く、経済指標発表のみならず金融政策変更やその他政治的要因、さらには地政学的リスク等の要因による突発的な相場急変動が起こりやすい環境下にございます。また、こうした急変動時には実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ大幅に拡大する傾向にあり、その場合には当社でもやむなく提示スプレッドを一時的に拡大することがございます。あわせて、相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更する場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。これら新興国通貨のお取引、およびこれらを対象とするキャンペーンへのご参加に際しては、以上につきあらかじめご留意のうえ、ポジション保有時、特に法人会員様の高レバレッジ取引における口座管理には十分ご注意くださいますようお願い申し上げます。以上の新興国通貨それぞれのリスク、および直近時点でのリスクレポートにつきましては、こちらのページをご参照願います。
新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。
橋本 将司氏 公益財団法人 国際通貨研究所 経済調査部 上席研究員
橋本 将司(はしもと・まさし)氏
慶應義塾大学卒業後、三菱UFJ銀行に入行。国際通貨研究所研究員、グローバルマーケットリサーチ・シニアアナリスト、経済調査室ニューヨーク駐在などを歴任し、グローバルな為替市場やマクロ経済に加え、米国金融業界や金融規制など幅広い分野の調査業務に従事。現在国際通貨研究所において、為替市場や主要国の金融政策・マクロ経済動向の分析を担当。理論的な観点からの為替市場分析を得意とする。
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