総括
FX「9月消費者物価はコアが上昇、11月は追加利上げか」南アランド見通し
「通貨6位、株価7位」
「予想レンジ 南アランド7.9-8.4」
(ポイント)
*9月消費者物価はコアが上昇、追加利上げ観測あり
*日銀円買い介入で一時下落
*電力問題は残るが輸送のストライキは解決
*仮想通貨を規制対象へ
*女性候補も、12月のANC党首選
*8月貿易黒字が大幅縮小
*南アへの直接投資と証券投資が減少
*政策金利は0.75%引き上げ
*2Q経常収支は8期ぶりの赤字
*2Q・GDPは減速
*石炭が見直され輸出商品へ
*ロシア産原油の輸入を計画している
(上昇を日銀介入で粉砕)
先週は一時、対円で8.28まで上昇しながらも日銀の円買い介入で、8.06まで下落した。先週終値は8.14まで戻した。週足は陽線を維持、月足もここまで陽線。
(コアがまだ高い消費者物価、追加利上げか)
9月の消費者物価上昇率は前年同月比7.5%だった。8月は7.6%で、伸びの鈍化は2カ月連続となった。消費者物価上昇率は7月に前年同月比7.8%と、13年ぶりの高水準を記録していた。南ア中銀は、2021年11月に金融引き締めを始めて以来、過去6回の金融政策決定会合で金利を引き上げている。食品、非アルコール飲料、燃料、エネルギーの価格を除くコア上昇率は9月に前年同月比で4.7%(8月は4.4%)と加速した。中銀はコアインフレ率の上昇を懸念している。11月にも追加利上げが予想されている。
(電力問題と長期的なストライキ)
南アの課題は電力問題と長期的なストライキだ。国営電力公社エスコム債務問題や施設の老朽化は進まないが、英国の鉱業大手アングロ・アメリカンは、フランスのエネルギー大手EDFと、南アに合併会社エンブサ・エナジーを設立することを発表した。再生可能エネルギーエコシステムの開発に取り組む。またサウジアラビアのムハンマ皇太子とラマポーザ大統が会談を行いエネルギー、水、グリーン水素、航空調査サービス、保健分野の協定・覚書が締結された。さらに大規模なストを続けていた、運輸のトランスネットは全国運輸連帯労働組合(UNTU)と、3年間の賃金協定を締結した。トランスネットの従業員は賃金交渉で折り合いがつかず、10月6日から無期限のストライキに入っていた。従業員の半数が所属するUNTUの協定締結により、港湾の混乱が解消されることが期待される。
(仮想通貨を金融商品に分類 規制対象に)
南ア金融監督当局は、暗号資産(仮想通貨)を金融商品の分類に入れたと発表した。これにより南アで同当局などが仮想通貨を規制対象にできるようになる。
当局は仮想通貨に外為規制を適用したり、仮想通貨の取引業者を認可制にしたりする計画だとしていた。
テクニカル分析(ランド/円)
雲中維持できるか
日足、ボリバン上位。一時雲の上に出るも反落。10月13日-21日の上昇ラインがサポート。9月13日-10月21日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向く。
週足、小反発。雲中から上昇、10月10日週-17日週の上昇ラインがサポート。9月12週-10月17日週の下降ラインが上値抵抗。5週線上向き、20週線下向き。
月足、6月の長い上ヒゲでの下押し圧力。9月も長い上ヒゲを残した。10月はここまで陽線。6月-9月の下降ラインが上値抵抗。8月-9月の上昇ラインがサポート。
年足、21年はかろうじて陽線。22年もここまで陽線。18年-21年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。
喜望峰
ジェトロ、南ア政府との意見交換会を開催
ジェトロは10月13日、在日南アフリカ共和国大使館と共催で「アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)に係る南アフリカ政府との意見交換会」を開催した。
南アのナレディ・パンドール国際関係・協力相は会合で、域内貿易拡大のためには、鉄道や港湾、道路などのインフラ整備、税関の効率化とデジタル化が必要と指摘した。アフリカでは現在、プラチナやコバルト、アルミニウム、ダイヤモンドなどの素材は産出されているが、それらを使った製造業が発展していないと述べ、AfCFTAを活用したアフリカ域内連携による製造業拡大に期待を示した。また、在日南ア大使館のリアン・レ・ルゥー参事官は、自動車や農業・食品加工、医薬品、物流などへの投資にチャンスがあると説明した。
ルラマ・ンゴニャマ駐日南ア大使は、南アへの日本の投資額は国別で5位で、約200社の日系企業が進出し、約20万人の雇用を生み、日本が南ア経済成長に貢献していると述べた。
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